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池袋ウエストゲートパーク vs 木更津キャッツアイ
◇はじめに
「池袋ウエストゲートパーク」は、2000年4月〜6月、「木更津キャッツアイ」は、2002年1月〜3月にTBS系列で
オンエアされたテレビドラマです。ボクは、両方とも、超・お気に入りです。
(「いい歳して」なんて言わないでね。「いい歳」の人もダマされたと思って、見てみたら? はまるよ、絶対。)
どちらも、脚本は、宮藤 官九郎。「木更津」の監督の金子 文紀さんは、「池袋」でも監督をしています。
キャストも、佐藤 隆太、森下 愛子、阿部 サダヲが共通点です(あんまり共通してないか)。
古田 新太と酒井 若菜も共通してるぞ(ゲスト vs レギュラーの違いはあったけど)。
でもね。こんな小さな共通点じゃなくて、ふたつのドラマを比べていたら、いろいろおもしろい対比点が
浮かび上がってきました。ほとんどボクの独断と偏見ですが、ささっとまとめてみました。
※どちらのドラマもごぞんじない方は、下にある両番組基礎データの数々をご覧くださいませ。
どっちも、オンエア中は低視聴率。でも、DVDが売れて話題になった作品です(これも共通点?)。
◇さて本論です。
くどいけど、以下の文章は、まったくの推測(ほとんど妄想?)です。
「池袋ウエストゲートパーク」を書いた2年後、クドカン(宮藤 官九郎)は、新しい脚本の依頼を受けた。
彼の頭の中には「池袋」のことが強くひっかかっていた(んじゃないかと思う。たぶん)。
でも、「池袋」の焼き直しみたいな話は書きたくないし、いっそ舞台を田舎にしてみようと考えた(んだと思う)。
舞台は、何となく(なぜか)木更津に決めた。
そしたら、発想は、どんどん広がった(んだよ。きっと)。
以下、池袋(という街) vs 木更津(という街)をベースに、主人公とそのまわりを比較してみました。
「池袋を木更津に置き換えたらこうなる」という感覚で、設定を置き換えたら、「木更津」の構想ができた、
というボクの仮説。
まんざらまちがっていないと思うんだけどね。どうでしょう?
最初に主人公の境遇をチェック。
「池袋」のマコトは、19歳。家業の果物屋を手伝っているけど、基本的にはプー。
空いてる時間は、池袋の西口公園や街の中でブラブラしている。
はい。それでは、早速、池袋の街を木更津の町に置き換えてみましょう。
主人公のキャラは、どう変化する(すべき)でしょうか?
「木更津」のぶっさんは、21歳。家業は理髪店。店の手伝いもできるけど、基本的にはプー。
ヒマな時は、仲間とメンバーのひとり(マスター)が経営するスナックでビールを飲んでいる。
あとは、野球チーム「木更津キャッツ」で草野球三昧。
主人公の「もうひとつの顔」は、こうしてできた。
まず、池袋。刺激と誘惑が多い街。事件が向こうからやってくる。
だから、必然的に、主人公 マコトは、「探偵」になった。
そして、木更津。刺激がない。事件もない。
池袋みたいに事件が向こうからやってこないので、こちらから起こすことにした。
そんなわけで、主人公は「怪盗」になる。
でも、まだ何か物足りない。主人公 ぶっさんにもっと劇的な日常が欲しい。
だから、余命数ヶ月にしてみた(のかな?)。
次に、主人公の仲間を分析。
「池袋」のマコトの仲間は、まずマサ。ヒカルという彼女もいる。中学時代の同級生でワルい
やつらは、少年ギャングのヘッドやヤクザになっている(タカシ、サル、ドーベルマン山井)。
シュンという、デザインの専門学校に通うナイーブな友だちもいる。
そして、事件解決にかかせないのが、和範と電波君。盗聴、張り込み何でもOK。
以上、何か都会的(な感じ)。
一方、「木更津」。主人公 ぶっさんに彼女はいない。ナンパしようにも、池袋の西口公園みたいに
若い女の子が集まるようなポイントが少ない。高校時代の同級生は、バンビだけ大学に行ったけど、
基本的には木更津を出ていない。だから、高校の野球部時代の延長で、あり余ってる時間の中で、
草野球にいそしんでいる。「池袋」のマコトみたいに仲間にバリエーションがない。
このあたり、なぜか閉鎖的。って言うか人口密度のせい?
ヤクザ比較論。
池袋。ヤクザが多い。少年ギャング団もできる。ギャング団同士の抗争も起こる。死人も出る。
外国人も多い。現代的な犯罪都市。
木更津。ヤクザはいる。でも、代表格は仲のいい山口先輩。野球部の監督 猫田は、半官半民じゃなくて、
半ヤクザ半民というふしぎな存在。(あと、ケーシー高峰がホモの金貸しで出てましたっけ)
ヤクザが儲かりそうにない典型的な地方都市。大きな犯罪も起こらない。
風俗比較。
池袋。風俗は何でもそろっている。
木更津。風俗の店が少ない。古典的なストリップ劇場のメインも40代のローズ(森下 愛子)。
(映画では、ヤクザの山口先輩が「韓国パブ」をオープンするのも妙におかしかった)
娯楽比較。
池袋。遊ぶ場所は何でもある。ゲーセン、カラオケ、クラブ etc。ダンスをやってる西口公園だって遊び場だ。
木更津。遊ぶ場所がない。JR木更津駅前くらい? 町の踊り「やっさいもっさい」が最大の娯楽だとは、木更津の
若者たちも認めたくないだろう。
最後に、憧れの芸能人、というかスター。
マコトは、川崎 麻世・命。でも、何かミーハー的なファン。
ぶっさんは、哀川 翔・命。こちらは、男として惚れている感じ。役柄と現実がごっちゃになってるところもいい。
以上、独断と偏見の妄想的仮説でしたが、いかがでしたでしょうか?
池袋を木更津に変えたら、こんなふうにキャラや舞台が変わっていくと思いませんか?
「池袋」は、しっかりした原作があったからドラマ化しやすかったでしょうが、「木更津」は、ゼロからの企画だった
ので、こういう風に企画を組み立てていった、と考えられなくもないでしょ?
というわけで、「池袋」も「木更津」も見ていない人は、こういう視点で、ぜひ両方ご覧ください。
「池袋」と「木更津」、片方しか見ていない人も、こういう視点で、見ていない方をお楽しみください。
これを書いてて思ったこと。やっぱ、ボクって、どうでもいいコトにこってしまうキャラだったのね、ということ。
◇テレビ版「池袋ウエストゲートパーク」とは?
オンエアは、2000年4月〜6月。
池袋ウエストゲートパークとは、池袋西口公園のこと。
主人公は、友だちのマサといつも西口公園でブラブラしている19歳のマコト。
ヒカルという不思議な感じの彼女もいる。
マコトは、日ごろは、家業の果物店を手伝っているが、ひとたび事件が起こると動き出す。
「何でも屋」と愚痴をこぼしながらも、ある時は探偵、ある時はトラブルシューター、そして、またある時は、
ピースメーカーとして池袋の街を駆け抜ける。
マコトは、池袋のギャングボーイズのヘッドのタカシ、やくざの若衆のサルとは中学の同級生。
池袋警察署長の横山もマコトには一目置いている。こんなメンツにマコトは、貸し借りをつくりながら、
池袋のトラブルをかかえた若者たちのために必死に働く。文字通り、必死に。
スペシャル版「スープの回」は、2003年3月にオンエアされました。
テレビ版「池袋ウエストゲートパーク」
テレビ版「池袋ウエストゲートパーク」スペシャル<スープの回>
「池袋ウエストゲートパーク」小説版 vs テレビ版
◇テレビ版「木更津キャッツアイ」とは?
オンエアは、2002年1月〜3月。
「木更津キャッツアイ」とは、草野球チーム「木更津キャッツ」の5人組が結成した怪盗団のこと。
名前は「キャッツアイ」なのだが、なぜか衣装は、「シティハンター」風。
主人公は、ぶっさん こと田渕 公平。高校の時の仲間5人で、草野球をしたり、仲間のひとり マスターが経営している
流行らないスナック「野球狂の詩」で、昼間からビールばかり飲んでいる。
ある日突然、ぶっさんは倒れて病院に運び込まれ、余命数ヶ月と宣告される。
ふつうなら、ここで落ち込むところだが、ぶっさんは、残りの人生、好きなことをやって生きていこうと前向きに
考える。そして、前向きに考えた結果、「木更津キャッツアイ」を結成する。
でも、木更津キャッツアイは、愉快な怪盗だ。人助けのためのだったり、悪いやつをこらしめるために盗みをはたらく。
映画版「日本シリーズ」は、2003年11月公開。
テレビ版「木更津キャッツアイ」
映画版「木更津キャッツアイ 日本シリーズ」
◇小説版「池袋ウエストゲートパーク」サイコー!
「読書感想文2005」のコーナーにも書かせていただきましたが、小説版の「池袋ウエストゲートパーク」も
かなりイケてます。よろしかったら、こちらの方も、ぜひご覧ください。
小説版「池袋ウエストゲートパーク」
小説版「池袋ウエストゲートパークU 少年計数機」
小説版「池袋ウエストゲートパークV 骨音(こつおん)」
◇テレビ版「池袋ウエストゲートパーク」のキャスト
テレビシリーズを先に見て、後から小説を読んだボクが驚いたこと。
それは、小説では、マサもヒカルも、第1話にしか出てこないということ。
長瀬 智也 ・・・・・ マコト
妻夫木 聡 ・・・・・ サル(羽沢組の構成員)
坂口 憲二 ・・・・・ ドーベルマン山井
窪塚 洋介 ・・・・・ タカシ(Gボーイズのキング)
佐藤 隆太 ・・・・・ マサ(マコトの友だち)
加藤 あい ・・・・・ ヒカル(マコトの彼女)
小 雪 ・・・・・ 加 奈
渡辺 謙 ・・・・・ 横山(池袋警察署長)
きたろう ・・・・・ 吉岡(池袋警察署の刑事)
阿部 サダヲ ・・・・ 池袋署の警官
山下 智久(ジャニーズJr) ・・・・・ シュン(マコトの友だち)
酒井 若菜 ・・・・・ リカ(ヒカルの友だち)
森下 愛子 ・・・・・ マコトの母
クレージー剣(クレージーケンバンド) ・・・・・ スペシャル版のゲスト。マコトの???。
◇テレビ版「木更津キャッツアイ」のキャスト
「池袋」は3年後にテレビのスペシャルで帰ってきましたが、木更津は1年後に映画で帰ってきました。
映画は、後半、南の島に漂流するわ、怪獣がでるわで支離滅裂になっちゃってましたけど。
岡田 准一 ・・・・・ ぶっさん = 田渕 公平
櫻井 翔 ・・・・・ バンビ = 中込 フトシ
佐藤 隆太 ・・・・・ マスター = 岡林 シンゴ
塚本 高史 ・・・・・ アニ = 佐々木 兆
岡田 義徳 ・・・・・ うっちー = 内山
酒井 若菜 ・・・・・ モー子
阿部 サダヲ ・・・・・ ネコ = 猫田 カヲル
山口 智充 ・・・・・ 山口 先輩
嶋 大輔 ・・・・・ 喫茶店「男の勲章」店長 = 帯谷
哀川 翔 ・・・・・ 哀川 翔 = 本人役
氣志團 ・・・・・ 氣志團 = 本人役
古田 新太 ・・・・・ オジー = 小津 裕次郎
森下 愛子 ・・・・・ ローズ = ぶっさんの継母
小日向 文世 ・・・・・ ぶっさんの父親 = 田渕 公助
薬師丸 ひろ子 ・・・・ 美礼(みれい)先生 = 浅田 美礼
◇おまけ:クドカン脚本とキャスティング
クドカン(宮藤 官九郎)が脚本を書いた映画やテレビドラマには、けっこう同じ出演者が出てきます。
窪塚 洋介 ・・・・・「池袋ウエストゲートパーク」、映画「GO」、映画「ピンポン」(映画はどちらも主役)
佐藤 隆太 ・・・・・「池袋ウエストゲートパーク」、「木更津キャッツアイ」(主人公の友だち役)
森下 愛子 ・・・・・「池袋ウエストゲートパーク」、「木更津キャッツアイ」(主人公の母親役)、「マンハッタンラブストーリー」
酒井 若菜 ・・・・・「池袋ウエストゲートパーク」(1話・2話のみ)、「木更津キャッツアイ」(レギュラー)
古田 新太 ・・・・・「池袋ウエストゲートパーク」(4話のみ)、「木更津キャッツアイ」(レギュラー)
塚本 高史 ・・・・・「木更津キャッツアイ」(アニ役)、「マンハッタンラブストーリー」(シノブ役)
阿部 サダヲ ・・・・・「池袋ウエストゲートパーク」(警官役)、「木更津キャッツアイ」(野球部の監督役)
妻夫木 聡 ・・・・・「池袋ウエストゲートパーク」、映画「69」
ちょっとマニアックですが、これは、わかるかな?
松尾 スズキ ・・・・・ 「マンハッタンラブストーリー」(土井垣役)、映画「ピンポン」(橋の上の巡査役)
銀粉蝶(ギンプンチョウ)・・・・・「池袋ウエストゲートパーク」(第6回:ヒロキの母親役)、映画「GO」(柴咲コウの母親役)
哀川 翔 ・・・・・「木更津キャッツアイ」(テレビ、映画とも本人役)、映画「ゼブラーマン」
内村 光良 ・・・・・ 映画「木更津キャッツアイ」、映画「ゼブラーマン」
これで全部じゃないだろうし、中には偶然っていうキャスティングもあるだろうし、クドカンの意思とは関係ない
キャスティングもあると思う。でも、何か、お気に入りのパターンって、見えてきませんか?
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