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池袋ウエストゲートパーク 小説版 vs テレビ版


◇はじめに

「池袋ウエストゲートパーク」は、97年に小説の第1作が発表され、現在に至るまで3冊(12編)が文庫化されています。
テレビの方は、2000年4月〜6月、TBS系列でオンエアされました(スペシャルが2003年3月オンエア)。
小説もテレビも、とてもいいデキです。ここでは、小説をテレビ化するにあたって、アレンジされたポイントを
独断と偏見でレビューしたいと思います。

まず最初に。 ここでは、小説とテレビ、どちらがいいとか好きとか論じる気はありません。
ただ、両方を読んで、見て、思ったことがひとつだけあります。
それは、「小説を読んでから、テレビを見ればよかった」ということ。
テレビの印象が強烈だっただけに、後から小説を読んでも、テレビのキャストや雰囲気を払拭するのに 苦労しました。


◇登場人物:

マコト:テレビでは長瀬 智也。いいキャスティング。テレビの「池袋」は、このキャスティングで半分成功した
  ようなものだと思った。ただ、小説のマコトは、ストリートファッション誌のコラムを書いたり、クラシック音楽に
 ウンチクを語るようになったり、どんどん文化的になっていく。テレビ版は、3ヶ月だから、そこまでは追えなかった
 みたい。でも、事件解決に向かって熱い時のマコトは、小説もテレビも通じるものがあって、Good でした。

タカシ:テレビでは窪塚 洋介。小説とテレビで最も変化が激しかった人物。小説のタカシは、超クール。
  時として冷徹。そして口数が異常に少ない(記号みたいな携帯電話の会話。用件のみな感じ)。
  テレビのタカシは、何か軽い。人を小ばかにしたようなヘラヘラしたしゃべり方。ちょっとマンガっぽい
  感じすらする。オンナの趣味も悪い(ジェシーはないでしょ)。原作では、もてるけど、彼女なしだったはず。
  ボク的には、テレビのタカシは嫌いじゃない。テレビ化にあたって、きっと、タカシのキャラにテレビ的なものを
  負わせたかったんでしょう。

サ ル:原作では、155cmで坊主頭。でも、テレビじゃ妻夫木 聡くんが演じてました。ま、原作のサルがおしゃれに
  なった感じ? 性格などは、小説版そのままでしたけど。

京 一:西島 千博。小説ではR(レッド)エンジェルス、テレビではB(ブラック)エンジェルスのリーダー。
  チームの名前(の色)が変わっただけで、キャラ自体は、小説〜テレビで大きな変化なし。

マ サ:佐藤 隆太。小説では、1巻の1作目にしか出てこないキャラ(そのあと11編には全然出てこない)。
  なのに、テレビでは、全11話にずっと出演。マコトの次に出演時間が長かった(ような気がする)。
  テレビ化するにあたって、いつもマコトのそばにいる相棒をつくりたかったのね。佐藤君はマサっぽいと思う。

ヒカル:加藤 あい。マサと同じく、小説では、1巻の1作目にしか出てこないが、テレビでは最後まで出てきた。
  小説版でヒカルが出てくる話は、テレビでは1話と2話。でも、ヒカルに関する重要な秘密を、テレビでは終盤まで
  隠しておいたのが、変化ポイント。あと、小説では、2巻以降、オンナにもてなくなったマコトに彼女がいても
  いいんじゃない?というスタッフの思いやりか。はたまた、出演者が男ばっかりで、番組の雰囲気が殺伐とするのを
  避ける狙いがあったのかな。

ドーベルマン山井:坂口 憲二。この人も、小説では、最初の1話のみのキャラ。1話でヒカルのために殺人を
 犯して刑務所に行っちゃう。でも、テレビ化にあたり、スタッフが、小説での彼の存在感を最初の段階で消すのは
 おしい、と思ったんじゃないかな。事実、テレビでも、出演時間以上に存在感があったと思う。

加 奈:タカシと同じくテレビ版で大きく設定が変化したキャラ。テレビでは、小雪が演じていました。
  小説版では、フリーのビデオジャーナリスト。マコトの協力で、Gボーイズ vs Rエンジェルス のシヴィルウォーを
  取材する勇敢な20代後半の女性として描かれていました。マコトが恋をし、彼女もマコトを受け入れます。
  でも、テレビでは、なぜか、マコトの実家「真島フルーツ」の店員。公園で刺されちゃったり、ヤクザと
  つながっていたり。マコトと真剣に恋をするというより、マコトをもてあそぶようなしぐさも見せていましたね。

シュン:山下 智久。テレビでは、終盤で殺されちゃうけど、小説版では、まだまだ元気です。
  次に紹介するラジオや和範とともに、いつもマコトを助ける捜査チームとして活躍中(現役)です。
  小説とテレビで大きく設定は変わっていないけど、小説のシュンの方がさばけてる感じ。テレビのシュンは、
  ちょっと陰があったね。

ラジオ:テレビでは須藤 公一(ほら、コンビニの太った店員ですよ)。原作では「ラジオ」と呼ばれていたけど、
  テレビでは「電波くん」というあだ名に変わっていました。盗聴・盗撮マニアっていう特技は、そのままだったけど。

和 範:マコトの中学の同級生で、引きこもりの男(高橋 一生)。小説では、「ラジオ(=電波くん)」とともに、
  マコトの事件捜査でメチャ活躍するんだけど、テレビではそれほどでもなかったね。

ゼロワン:小説オンリーのキャラ。いつも、ファミレスの隅っこでパソコンをカチャカチャやっているハッカー 兼 情報屋。
  スキンヘッドの彼は、原作では時々出てくる。テレビでは、なぜか、和範がゼロワンの役割も背負ってました。

ジェシー:タカシの彼女?(池津 祥子)。タカシの項でもふれたけど、彼女はテレビ版オリジナルのキャラです。
 (テレビ版で)タカシのキャラを変えたオマケというか、アクセサリーみたいな存在?

横 山:池袋警察署の署長(渡辺 謙)。原作では、マコトの年の離れた幼なじみ。だから、署長着任後、自然にマコトに
  近づいてくる。テレビみたいに、BMWをマコトにあげたりしないし、ボーリングもしない。テレビの横山より原作の彼の
  方が少し「いい人」かな。マコトにシンパシー感じてる気がしました。

吉 岡:きたろう演じる池袋署の平刑事。小説版では、マコトのよき理解者。マコトに協力もしてやる(テレビ版より)
  いい人。古きよき刑事像。一方、テレビ版は、小役人な感じ。マコトの母ちゃんにベタ惚れという設定は、小説版から
  全くかけ離れた変化。でも、何か憎めなかったなぁ。タカシ同様、テレビ的な演出のひとつかな。

浜 口:阿部 サダヲ演じる池袋署の警官。彼も(ジェシーと同じく)テレビ版オリジナルのキャラ。テレビ的。

川崎 麻世:原作には出てきません。これもテレビ化にあたってのシャレのひとつでしょう。

リツコ:マコトの母親(森下 愛子)。小説では、池袋演芸場に落語や手品を見に行くというシーンが出てくる。
  年齢は明らかになっていないけど、ちょっとオバンくさくない? マコトを25で産んだとしても、まだ40代なかば
  じゃないの? それに比べて、テレビのリツコは、マルチ商法にハマっちゃったり、ちょっと現代的。そしてかわいい。
  マコトが恐がる(一目置く)キップのよさは、小説もテレビも共通してたけどね。

カツシン:テレビ版のスペシャルで出てきたホームレスのリーダー。クレイジー剣さんがやってました。
  小説では、わりと硬派な感じ。いい感じのオッチャン。テレビでは、剣さんのキャラを生かして、キャラを変えて
  ました。あと、小説にはない過去(リツコとの関係)なんかも加わっていました。 


◇ストーリー:

テレビシリーズのオンエアが2000年の4月〜6月。

小説版の第1巻が発売されたのが1998年9月。第1巻収録の4編は、すべてテレビ化されました。
「池袋ウエストゲートパーク」:テレビ版の第1話と第2話。しかし、小説版のヒカルの秘密は
テレビ版では終盤に持ってきていました。
「エキサイタブルボーイ」:テレビ版の第3話。原作に忠実。
「オアシスの恋人」:テレビ版の第4話。原作に忠実。
「サンシャイン通り内戦(シヴィルウォー)」:テレビ版の第8話〜11話のベース。
ただし、Gボーイズ vs Rエンジェルス 対立の構図は、忠実に再現されていたが、加奈の設定が
大幅に変えられていた。

小説版 第2巻の発売は、2000年6月。すなわちテレビ版の終了の月。
だけど、1999年の8月と11月に発表されていた「妖精の庭」と「少年計数機」の2編は、テレビ化に
間に合ったようです。
「妖精の庭」:テレビ版の第5話。原作に忠実。
「少年計数機」:テレビ版の第6話。原作に忠実。
「銀十字」:2000年3月発表。テレビ化されず、というか、間に合わず?
「水のなかの目」:2000年6月の単行本発売に合わせて書かれた「書下ろし」。
この作品が間に合わなかったのは、当然(というかしかたない)。名作なのに残念。

小説版の第3巻は、2002年の10月発売。テレビのスペシャル版放送が2003年の3月。
「骨音(こつおん)」:2001年10月発表。スペシャル版の原作というか事件のベース。
「骨音」のストーリーをベースにしながらも、テレビ版オリジナルの「Gボーイズ vs
Bエンジェルスのラーメン対決」というテーマを盛り込んでいました。
「西一番街テイクアウト」:2002年1月発表。テレビ化されず。
「キミドリの神様」:2002年4月発表。テレビ化されず。
「西口ミッドサマー狂乱(レイヴ)」:2002年10月の単行本発売時に発表された書下ろし。
「骨音」もかなりの名作だが、個人的には、この作品でスペシャルを見たかった。

というわけで、小説版→テレビ化にあたって、登場人物は、かなり変化点がありましたが、
ストーリーは、かなり忠実です(テレビ化された作品に関しては)。

テレビの第1話〜第6話までは、小説版の1巻〜2巻のほぼ掲載順(初出時の発表順)にオンエア
されています。1巻の最後のお話(4編目)の「サンシャイン通り内戦(シヴィルウォー)」を
テレビシリーズの終盤(クライマックス)に持ってきたのは、当然でしょう。
テレビ化までに発表されていた7編の内で、最もスケールの大きな作品でしたから。

第1回(イチゴの回):1巻の「池袋ウエストゲートパーク」がベース。ストラングラー事件の巻。
第2回(ニンジンの回):第1回に続き、ストラングラー事件の巻。
第3回(ミカンの回):1巻の「エキサイタブルボーイ」がベース。マコトとサルが姫失踪事件に挑む。
第4回(シイタケの回):1巻の「オアシスの恋人」がベース。古田 新太がヘビーE役でゲスト出演。
第5回(ゴリラの回):2巻の「妖精の庭」がベース。この回から加奈(小雪)が登場。
第6回(6チャンネルの回):2巻の「少年計数機」がベース。
第7回(洋七の回):TVオリジナルのストーリー。マコトの母のマルチ商法がらみの巻。
第8回(洋八の回):加奈の正体がわかる。1巻の「サンシャイン通り内戦」の幕開け。
第9回(九州の回):加奈が刺される。シュンの様子もおかしい。「サンシャイン通り内戦」激化。
第10回(十手の回):ヒカルの人格障害に迫るマコト。犠牲者は続く。
第11回(士=サムライの回):いよいよタカシと京一の対決。
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スペシャル(スープの回):3巻の「骨音」がベース。でもGボーイズ vs Bエンジェルスのラーメン対決も見もの。

以上、独断と偏見の 小説版 vs テレビ版 比較論でしたが、いかがでしたでしょうか?

小説版もテレビ版も見ていない人は、こういう視点で、ぜひ両方ご覧ください。
できれば、小説版の方から入った方がよいかと思います。
小説版とテレビ版、片方しか見ていない人も、こういう視点で、見ていない方をお楽しみください。


◇小説版「池袋ウエストゲートパーク」サイコー!

ということで、まずは、小説版の紹介です。
「読書感想文2005」のコーナーにも書かせていただきましたが、小説版の「池袋ウエストゲートパーク」は、
かなりイケてます。ぜひぜひお読みください。

コメント小説版「池袋ウエストゲートパーク」
コメント小説版「池袋ウエストゲートパークU 少年計数機」
コメント小説版「池袋ウエストゲートパークV 骨音(こつおん)」


◇テレビ版「池袋ウエストゲートパーク」もサイコー!

小説版を読んだら、次はテレビシリーズをご覧ください。

テレビ版のオンエアは、2000年4月〜6月。オンエア中はたいした視聴率じゃなかったのに、DVDは快調に
売れたみたいです。
スペシャル版「スープの回」は、2003年3月にオンエアされました。

主人公 マコト(長瀬 智也)は、友だちのマサといつも池袋西口公園でブラブラしている。
しかし、仲間の殺人事件をきっかけに、池袋の事件を追う探偵(?)になる。
ひとたび事件が起こると、「何でも屋」と愚痴をこぼしながらも、ある時は探偵、ある時はトラブル
シューター、そして、またある時は、ピースメーカーとして池袋の街を駆け抜ける。

コメント テレビ版「池袋ウエストゲートパーク」
コメント テレビ版「池袋ウエストゲートパーク」スペシャル<スープの回>


◇テレビ版「池袋ウエストゲートパーク」:キャスト完全版

<レギュラー・シリーズ>

長瀬 智也 ・・・・・ マコト(真島 誠 20歳)

窪塚 洋介 ・・・・・ タカシ(Gボーイズのキング:安藤 崇 19歳。マコトの同級生)
妻夫木 聡 ・・・・・ サル(羽沢組の構成員:斎藤 サル 20歳。マコトの同級生)
坂口 憲二 ・・・・・ ドーベルマン山井(マコトの同級生。でも三留。22歳)
西島 千博 ・・・・・ 京一(ブラックエンジェルスの代表:尾崎 京一 23歳)

佐藤 隆太 ・・・・・ マサ(マコトの友だち:森 マサ 20歳)
加藤 あい ・・・・・ ヒカル(マコトの彼女:渋沢 光子 18歳)
小 雪 ・・・・・・・ 加 奈(真島フルーツの店員:松井 加奈 24歳)

山下 智久 ・・・・・ シュン(マコトの友だち:水野 シュン 17歳)
高橋 一生 ・・・・・ 和範(マコトの友だち:森永 和範 20歳)
須藤 公一 ・・・・・ 電波くん(マコトの仲間:盗聴・盗撮マニア 年齢不詳)
酒井 若菜 ・・・・・ リカ(ヒカルの友だち:中村 リカ 17歳)
矢沢 心  ・・・・・ 千秋(池袋のヘルス嬢 20歳)
池津 祥子 ・・・・・ ジェシー(タカシの彼女??? 年齢不詳)

渡辺 謙 ・・・・・・ 横山(池袋警察署長 40歳)
きたろう ・・・・・ 吉岡(池袋警察署の刑事 昔は横山の先輩だった 48歳)
阿部 サダヲ ・・・・ 浜口(池袋署の警官 年齢不詳)

森下 愛子 ・・・・・ マコトの母(真島 リツコ 42歳)

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<スペシャル>

石橋 蓮司 ・・・・・ 汁男(ラーメンのスープにこだわる謎の男)
川崎 麻世 ・・・・・ 川崎 麻世
R I Z E ・・・・・・ 池袋の人気バンド「雷図」
岡本 健一 ・・・・・ スライ(池袋の人気バンド「雷図」のサウンドディレクター)
クレイジーケンバンド ・・・・ ホームレスたち
クレイジー剣 ・・・・・ ホームレスのリーダー。マコトの???。


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