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読書感想文2014 part 4

「読書感想文2014」 part4は、7月〜8月の読書録です。

 ↓ Click NOVEL mark !
コメント  MEMORY (本多 孝好著、集英社文庫)   作品の紹介 

計5編を収録した連作短編集。 商店街の文房具屋の息子、神田。 葬儀屋の娘、森野。
二人は、同い年の幼馴染。 お互いに好意を持ちながら、20代が終わろうとしているにも
かかわらず、一歩踏み出せずにいる、、、。
この作品は、そんな二人をとりまく人たちを各編の主人公にしながら、神田と森野が顔を出す、
という構成。 二人が中学3年生から31歳までを描いています。
各編の登場事物たちを通して、語られていく神田と森野のラブストーリーとも言える作品。
しゃれてるとも言えるけど、二人がメインの一編があってもいいような気がしました。
本作の兄弟編に「MOMENT」のブックレビューはコチラ。  大学4年生のときの神田君のお話。
オススメ度:7.9

コメント  日輪の遺産 (浅田 次郎著、講談社文庫)   作品の紹介 

倒産寸前の不動産会社社長、丹羽は、一攫千金を狙った競馬場で老人、真柴に出会う。
競馬場を後にし、居酒屋で飲んでいる最中に、真柴老人は急死。 息を引き取る直前に真柴は
丹羽に一冊の手帳を託す。 その手帳には、終戦直前、陸軍少佐だった真柴が受けた密命の
記録が記されていた。 真柴は、日本軍がマッカーサーの父から奪った金を、敗戦後の日本の
復興資金として、隠すことを命じられていた、、、。
丹羽は、身寄りのない真柴の遺体とともに病院の霊安室で夜を明かすことになる。 そこに
生前、真柴の世話をしていた福祉ボランティアの海老沢が現れる。 海老沢も、丹羽と同様、
真柴から手帳を託されていた。 さらに、何十年もの間、真柴の大家だった金原という地元
の有力者である老人が現れ、丹羽と海老沢の手帳を気にする、、、。
物語は、ここから現代の丹羽、海老沢、金原と、昭和二十年の真柴の行動を交互に語りながら
進んでいきます。 丹羽と海老沢は、やがて真柴の密命が事実だったことを認識します。
一方、真柴が無事、密命を遂行するさまを、丹念に描いていきます。 やがて、マッカーサーが
日本に上陸し、日本軍の隠し金を探し始めるのですが、、、意外な結末が待ち受けています。
物語としては一級品と思うけど、なんだかせつない読後感。 オススメ度:8

コメント  姫椿 (浅田 次郎著、文春文庫)   作品の紹介 

表題作(「姫椿」)を含む計8編を収録した短編小説集。
9年間連れ添った飼い猫が死んでしまい失意の34歳の独身OLが伝説上の動物「シエ」を飼うお話。
家族にも内緒で長年オカマバーのマダムとして君臨し続けた70歳の男の大往生のお話。
11年前に先立たれた妻との思い出の場である競馬場に通い続ける大学の先生のお話。
さまざまな人生の一片を切り取り、なつかしさやせつなさ、希望、驚きでくるんだ作品。
同じ著者の短編集でも、下記の「夕映え天使」よりも読みやすいです。 オススメ度:8

コメント  夕映え天使 (浅田 次郎著、新潮文庫)   作品の紹介 

表題作(「夕映え天使」)を含む計6編を収録した短編小説集。
表題作は、中年店主がほそぼそとやっている中華料理屋「昭和軒」に住み込みで働きたいと、
わけありげな女性があらわれるお話。
老若男女、さまざまな境遇の人たちの喜怒哀楽をていねいに描いた作品。
大人向きかな。 オススメ度:7.8

コメント  バガージマヌパナス わが島のはなし (池上 永一著、文春文庫)   作品の紹介 

沖縄本島のはるか南の島に暮らす綾乃は19歳。 バイトさえもしない完全無職の生活。
小さい頃から仲よしの86歳の老婆、オージャーガンマーとおもしろおかしく生きている。
ところが、ある日、神様のお告げで「ユタ」(巫女)になれと命じられる。 自由な毎日を
手放したくない綾乃は、大いに悩むが、最終的にはユタになる決心をする、、、。
八重山諸島の大自然をバックに自由人、綾乃が一人前のユタになっていくさまを、著者
独特の世界観とリズムで描いています。
1994年「日本ファンタジーノベル大賞」受賞作。 著者はその後、大作「テンペスト」を著し、
NHKでドラマ化。 オススメ度:7.9

コメント  ヤッさん (原 宏一著、双葉文庫)   作品の紹介 

計6編を収録した連作短編集の体裁をとった長編小説。
失業してホームレスとなったタカオは、食の達人のホームレス「ヤッさん」に拾われる。
ヤッさんは、築地市場と一流料理店との間に立って情報の仲買人として、両者からリスペクト
される存在。 ホームレスではあるが、身ぎれいにしている。 報酬は受け取らないが、食事は
築地の新鮮な魚介類か、一流料理人の手によるものばかり。 そんなヤッさんが、家出娘を立ち
直らせたり、料理人や築地の店主、恩師の窮地を救ったり、知恵と人柄と勇気で奮闘する物語。
やがて、タカオも成長し、ヤッさんのように築地市場、料理人から一目置かれるようになる、、、。
リーダビリティー抜群の作品。 食の世界を舞台にしながらも、難しい単語が飛び交うわけではなく、
読者にわかりやすく書かれている点も好感が持てます。 人物造形、ユーモアもグッド。
著者の他の作品も読みたくなりました。 オススメ度:8.2

コメント  看守眼 (横山 秀夫著、新潮文庫)   作品の紹介 

表題作(「看守眼」)を含む6編を収録したミステリー短編集。
表題作は、刑事志望だったが留置管理係として定年を迎えようとしている警官が証拠不十分で
釈放された男を単独で捜査するというお話。 他にも、県警のホームページ担当、自叙伝を
執筆するフリーライター、家裁の調停委員を務める主婦、地方紙の整理部に異動して間もない
元記者、県庁の秘書課長などを主人公にしたミステリーがずらり。
短編ながら内容の濃い作品ばかり。 さすがは熟練の著者の一作。 オススメ度:8.2

コメント  模倣の殺意 (中町 信著、創元推理文庫)   作品の紹介 

7月7日午後7時、新人作家の坂井正夫が死亡。 死因は青酸カリ。 警察は彼の死を自殺と
して処理するが、恋人の編集者、中田秋子は、他殺ではないかと疑う。 秋子は、坂井の部屋
に出入りしていた女性、遠賀野律子の存在が気になり、独自に調査を始める。
一方、坂井の同人誌仲間でルポライターの津久見伸助も、坂井の死が自殺であることに納得が
いかず、坂井と確執のあった編集者、柳沢を追及していく、、、。
1971年に書かれた著者のデビュー作を改稿した作品。 40年以上前に書かれた作品として考えると
トリックの妙を評価すべきだけど、同様のトリックを何作か読んだ後だと、評価は分かれるかも。
とはいえ、ミステリー好きの人にはお勧め。 オススメ度:8

コメント  月への梯子(はしご) (樋口 有介著、文春文庫)   作品の紹介 

福田 幸男、40歳。 通称ボクさん。 練馬の築20年のアパート「幸福荘」の大家兼管理人。
知能は小学生レベルだが、8年前にアパートを残して他界した母親の教育のおかげで、管理人
として合格点の仕事ぶり。 近所の幼馴染、京子も世話を焼いてくれるし、6人の店子たちとも
良好な関係を保っていた、、、。
ところが、ある日、アパート外壁のペンキ塗りの作業中、二階の窓越しに、アパートの住人、
栗村蓉子の死体を発見する。 作業中の梯子から落ちて、病院に担ぎ込まれたボクさんが
入院中、残りの5人の住人がすべて忽然と姿を消す、、、。
退院後、ボクさんの知能は、飛躍的に上がり、失踪した5人を探し始める。 やがて、5人が
失踪した理由が明らかになり、一人、二人と行方がわかる。 京子との距離も近くなり、殺人
事件も解決するが、、、、、、。
このあと、物語は意外なラストを迎えます。 たぶん、賛否両論ある終わり方だと思う。
個人的には、ふつうに終わってほしかったです。 あと、主人公の知能が突然進化するくだりは
誰しも「アルジャーノンに花束を」を連想するのでしょうが、著者は、この作品を読んでいない
とのこと。 オススメ度:8

コメント  十三回忌 (小島 正樹著、双葉文庫)   作品の紹介 

静岡の有数の資産家、宇津城(うつしろ)恒蔵。 彼の妻、律子の一周忌の法要の日、殺人事件が
起こる。 被害者は、恒蔵の愛人、谷内田(やちだ)杏子の長女、夏澄。 庭の木に串刺しにされる
という残酷な殺人だった。 続いて、律子の三回忌には、杏子の次女、ゆかりが、首を切られて
殺害され、七回忌には、三女、未帆が犠牲となる。 未帆は、唇を切り取られていた。 三人の
殺人現場には、宇津城家の温室で栽培されているバラが残されていた、、、。
そして、十三回忌の日、杏子が背中をナイフで刺されて、殺される。 恒蔵は、静岡県警の刑事、
笠木の友人、海老原に「探偵」として捜査に加わるよう依頼する。 海老原は、たちまち、第二の
殺人事件の謎を解き、一連の殺人の核心に近づいていく、、、。
トリック重視のミステリーファン向きの作品。 個人的には「トリックありき」の傾向が強すぎる
かな、という印象を持ちました。 超難解なトリック続出。
「本の雑誌」2014年「国内ミステリー部門」第8位。 オススメ度:8

コメント  軍師二人 (司馬 遼太郎著、講談社文庫)   作品の紹介 

計8編を収録した歴史小説短編集。
表題作(「軍師二人」)は、大坂夏の陣、大坂城落城前夜の物語。 黒田官兵衛の嫡男、長政に
仕えていた、後藤又兵衛。 そして、関が原の戦い以降、蟄居を強いられていた真田幸村。
百年に一人という稀代の軍師を二人要していながら、大坂方の戦術は定まらず、いたずらに時が
過ぎていく。 結局、二人の戦術の妥協案で、徳川方を迎えうつことになるが、土壇場で、幸村が
又兵衛の策に賛同する。 しかし、濃霧が大坂方の戦術を狂わせてしまう、、、、、、。
その他、関が原の戦いや大坂城夏の陣などに際し、懸命に生き、運命に翻弄される男女を描いた
佳作がずらり。 オススメ度:8

コメント  鬼平犯科帳 14 (池波 正太郎著、文春文庫)   作品の紹介 

火付盗賊改方の長官、「鬼平」こと長谷川平蔵の活躍を描いたヒット作。 計6編を収録した連作短編集。
鬼平のたいせつな密偵の一人が命を落とします、、、。 オススメ度:8

コメント  鬼平犯科帳 15 (池波 正太郎著、文春文庫)   作品の紹介 

火付盗賊改方の長官、「鬼平」こと長谷川平蔵の活躍を描いたヒット作。 特別長編「雲竜剣」を収録。
二夜続けて、火付盗賊改方の同心が殺される。 鬼平は、半年前に自分を襲った男の仕業ではないかと
にらむ。 剣の師匠、高杉銀平がかつて対峙した強敵の話を思い出し、常陸の牛久、藤代を探る。
やがて浮上した人物を糸口にまれにみる大規模な捜査が始まった、、、。
鬼平は、いつも短編を読みなれているだけに、ちょっと話を複雑に感じました。 オススメ度:8

コメント  鬼平犯科帳 16 (池波 正太郎著、文春文庫)   作品の紹介 

火付盗賊改方の長官、「鬼平」こと長谷川平蔵の活躍を描いたヒット作。 計6編を収録した連作短編集。
名物同心、木村忠吾がついに結婚。 オススメ度:8

コメント  鬼平犯科帳 17 (池波 正太郎著、文春文庫)   作品の紹介 

火付盗賊改方の長官、「鬼平」こと長谷川平蔵の活躍を描いたヒット作。 特別長編「鬼火」を収録。
平蔵が立ち寄った居酒屋の女房が斬られ、主人が失踪する。 捜査を進めていくうち、今度は平蔵が襲撃
される。 その直後、薬種を取り扱う大店が盗賊に襲われ、失踪した居酒屋の主人、旗本、元御番医など
さまざまな人物のつながりが明らかになっていく、、、、、、。
15巻の長編「雲竜剣」同様、ひごろの短編とは一味ちがったスケールの大きなミステリー。
でも、個人的には、「鬼平」は、短編が好みかも。 オススメ度:8

コメント  鬼平犯科帳 18 (池波 正太郎著、文春文庫)   作品の紹介 

火付盗賊改方の長官、「鬼平」こと長谷川平蔵の活躍を描いたヒット作。 計6編を収録した連作短編集。
オススメ度:8.1

コメント  鬼平犯科帳 19 (池波 正太郎著、文春文庫)   作品の紹介 

火付盗賊改方の長官、「鬼平」こと長谷川平蔵の活躍を描いたヒット作。 計6編を収録した連作短編集。
オススメ度:8

コメント  鬼平犯科帳 20 (池波 正太郎著、文春文庫)   作品の紹介 

火付盗賊改方の長官、「鬼平」こと長谷川平蔵の活躍を描いたヒット作。 計7編を収録した連作短編集。
オススメ度:8

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