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読書感想文2008 part 2

「読書感想文2008」 part2 は、3月〜4月の読書録です。


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コメント  イニシエーション・ラブ (乾 くるみ著、文春文庫)   作品の紹介 

コメントしたいことがいっぱいあるんだけど、ネタバレになっちゃうので、
書けないもどかしさもいっぱいの作品です。
まずは、あらすじ。 鈴木君は、静岡大学の数学科の4回生。 彼女いない歴22年。
7月に友人のピンチ・ヒッターとして参加した合コンで、ショートカットの歯科衛生士、
成岡 繭子に一目惚れしてしまう。 これまでの鈴木君なら、楽しい一夜の思い出として
終わるところだったが、繭子も彼に好意を持っており、やがて二人は付き合うようになる。
繭子のために、眼鏡をコンタクトレンズに換え、ファッションにも気を遣うようになる鈴木。
そして、免許をとり、車を買い、その年のクリスマス・イブも二人で迎えることになる、、、、、、。
と、まあ、ここまでが、物語の折り返し地点なわけです。 ↑これだけ読んでると、
なんですか? ふつうの恋愛小説じゃないですか? なんて思いますよね。 そうです。
そう思うのももっともです。 でも、違うんです。 冒頭に書いたように、ネタバレに
なっちゃうので、書きませんが、著者の乾 くるみさんは、ミステリー作家です。
だから、ふつうの恋愛小説なわけがありません。 もっとも、注意深く読んでいないと、
普通の恋愛小説として読んじゃうんでしょうけど、、、。 とは言え。 どんな人でも、
物語のラストから2行目を読むと、「あれ? あれ? あれれ、、、」と大トリックに
気づくことでしょう。 もったいつけて申し訳ありませんが、このトリックのことは
書きません(書けません)。 でも、セコいトリックじゃないので、ぜひご一読ください。
さて。 余談です。 まず、この作品は、Side A 6章、Side B 6章から構成されています。
そして。 各章には、80年代後半のヒット曲がタイトルに使われています(中にはそれ以前
の曲もありますが)。 たとえば、「SHOW ME」とか「ルビーの指輪」とか「木綿のハンカ
チーフ」とか。 ちなみに著者は1963年生まれであり、物語も1987年前後を描いたものです。
これらの選曲はなつかしくもあり、選曲の妙、センスも感じました。
最後に。 この作品は、読了後、思わず、再読したくなる率が高いと聞いていましたが、
最後まで読んで、なるほど、その理由がわかりました。 いやはや心憎い作品です。ほんとに。
『本の雑誌』おすすめ文庫 2007年度版 国内ミステリー部門:第2位 総合:第5位 
僕のオススメ度:8.5

コメント  君たちに明日はない (垣根 涼介著、新潮文庫)   作品の紹介 

村上 真介、33歳。 職業は、企業の人事部の依頼を受けて、早期退職をすすめること。
あるときは、メーカーで、そして、またあるときは銀行で、リストラを推進する面接を
くりかえす毎日。 リストラ候補社員からは、罵られたり、逆恨みされたり、泣かれたり。
感謝されることのない仕事だし、情をかけることもできない。 あくまで主観を排除し、
クールで居続けることが要求されるタフな仕事なわけです。
かと言って、真介が、まったく人間らしくないのかと言えば、そうではなく。
面接相手の8歳年上の女性に一目惚れしたり。 偶然、退職を勧めることになってしまった
高校の同級生に、再就職を世話してやったり。 むしろ、少し軽くて、憎めない側面を持ち
あわせていて。 そんな人物造形が物語の懐を深くしているのかな、と思いました。
この作品は、そんな真介の仕事と恋と生き方を描いた5編からなる連作短編集です。
著者の垣根 涼介さんは、僕の大好きな作家のひとり。 「ワイルドソウル」とか「ヒート
アイランド」とか、けっこう熱い、ハードボイルドな作品ばかりかと思いきや、こんなふうに
軽妙洒脱な作品も書けるとは、、、。 いやはや、ますます好きになりました。
2005年度「山本周五郎賞」受賞作品。 僕のオススメ度:8.5

コメント  六機の特殊 (黒崎 視音=みお著、徳間文庫)   作品の紹介 

正式タイトルは「六機の特殊 警視庁特殊部隊」。
舞台となるのは、警視庁警備部第六機動隊、通称六機。 対テロ対策を主眼に設立された
特殊部隊(SATと呼ばれたりもします)。 
この作品は、そんな特殊部隊を扱った6編の連作短編で構成されています。
主人公は、28歳のキャリア、土岐警視。 身長170cm。 ずば抜けた身体能力を備えている
わけでもない彼が、キャリアであるにもかかわらず、警視庁で最も過酷な部署の小隊長に
就任するところから物語は始まります。
しかし、彼はキャリアであることに奢らず、鍛錬に鍛錬を重ね、やがて、部下からの信頼
の厚い隊長へと成長していきます。 時には、銀行強盗に、時には、ハイジャック犯に対峙し、
身体を張って難局に立ち向かう土岐の姿は、修行僧のようにストイックです。
けれども、事件現場で知り合った婦警との恋愛やドイツの国境警備隊中佐との友情なども
並行して描かれ、物語の奥行きを深くすることに成功していると思いました。
日頃、我々が垣間見ることのできない特殊部隊(SAT)の内情を描いた、とても興味深い
作品です。 参考文献も半端ではなく、よく取材された佳作だと思いました。
『本の雑誌』おすすめ文庫 2007年度版 警察小説部門:第10位 僕のオススメ度:8.5

コメント  ボクの町 (乃南 アサ著、新潮文庫)   作品の紹介 

警視庁のある駅前交番に3ヶ月の地域実務研修で配属された高木 聖大(せいだい)は23歳。
大学時代は茶髪でピアスは当たり前の学生だったが、失恋がきっかけで警察官を志した。
たいした覚悟もないまま、警官になってしまい、持ち前のいいかげんさも手伝ってか、
研修先の交番では叱られてばかり。 そんな中、同期の三浦が職務質問をきっかけにクルマ
泥棒の常習犯を逮捕。 聖大も負けじと職務質問に精を出すが、逆に不審な男からナイフで
襲い掛かられ、ふたたびダメな毎日に逆戻り。 
しかし、まもなく実務研修も終わりに近づいたある日、三浦が連続放火犯を追跡中に大怪我
を負う。 三浦に犯人逮捕を託された聖大は、先輩婦警と犯人逮捕に乗り出す・・・・・・。
⇒ 物語後半で、犯人逮捕に向かうさまが描かれていますが、序盤から中盤は、主人公の聖大
がしでかすヘマのオンパレード。 おまけに短気だから、よけいに始末におえないワケです。
思わず「もう少しうまくやりなよ」と声をかけたくなるくらいのダメダメぶり。 
とは言え、マンガみたいに描かれているわけではなく、交番勤務のたいへんさを、いくつもの
エピソードを積み重ねながら、ていねいに語っていくスタイルには好感が持てました。
『本の雑誌』おすすめ文庫 2007年度版 警察小説部門:第8位 僕のオススメ度:8

コメント  骨董屋征次郎京暦 (火坂 雅志著、講談社文庫)   作品の紹介 

明治はじめの京都で骨董屋を営む征次郎を主人公にした連作短編集。
本書には8編を収録。 前作「骨董屋征次郎手控」が好評につき、企画された続編ですが、
前作を読んでいなくても、だいじょうぶです。
征次郎の父は金沢藩で骨董の買い付けを担当していたが、贋物をつかまされた責任を
とって切腹。 それでも、征次郎は元来の骨董好きを貫き、父の知り合いに師事し、
自分の店を構えて七年余。 先斗町一の芸妓、小染との永い春も七年になろうとしている。
折しも、文明開化で西洋の文化が日本になだれ込み、骨董品の値崩れがおさまらない。
しかも、裏取引の世界では、贋物が横行する始末。
そんな中、征次郎の友人で同業者の兼吉が、三十六歌仙絵盗難の罪で逮捕される。
征次郎は、兼吉の無実を証明すべく、事実の究明に乗り出すが、事件は新生 明治政府の
高官をも巻き込んだ深い闇のあるものだった。
⇒ 征次郎は、まだ三十代なんだけど、骨董品の美に完全に魅せられてしまっています。
この時代、七年も付き合った三十歳直前の恋人がいれば、結婚して当然だと思うのですが、
骨董の世界に入り込んだ自分が、はたして惚れた女ひとりさえ幸せにできるだろうか?と
自問してしまうわけです。 でも、そんな征次郎のプロポーズを待っている女性、小染の
こころもすてきでした。 という感じの、骨董の世界を舞台にしたミステリーと征次郎・小染
のラブストーリーで紡がれた世界を堪能してください。
『本の雑誌』おすすめ文庫 2007年度版 時代小説部門:第8位 僕のオススメ度:8

コメント  こんちき (諸田 玲子著、文春文庫)   作品の紹介 

正式タイトルは「こんちき あくじゃれ瓢六捕物帖」。 好評だった前作「あくじゃれ
瓢六捕物帖」の続編です。 前作を読んでいなくてもだいじょうぶですが、前作のレビュー
をご覧になりたい方は「読書感想文2006 part2」をご参照ください。
表題作(「こんちき」)を含む計6編の連作短編集。 江戸時代のお話です。
瓢六は博打の罪で入牢するが、ひょんなことから北町奉行所の同心、篠崎とともに
事件を捜査する側になり、次々と難事件を解決する。 そして、その功績が認められ、
無事、無罪放免となるが、篠崎の上司である与力の菅野は、瓢六の才能に目をつけ、
何かにつけて、瓢六を頼りにするようになる。 街中での捜査もあるが、事件解決の
ために、牢に送り込まれることもしばしば。 同棲中の芸者、お袖も気が気でないが、
当の瓢六は、持ち前の眼力とセンスで飄々と事件をかたづけていく、、、、、、。
前作に続いて、読みやすく軽妙な作風に仕上がっています。 第三作も読みたいです。
『本の雑誌』おすすめ文庫 2007年度版 時代小説部門:第10位 僕のオススメ度:8

コメント  闇の守(も)り人 (上橋 菜穂子著、新潮文庫)   作品の紹介 

女用心棒のバルサは31歳。 25年前、王の主治医だった父が、王位争いの陰謀に巻き込まれ
暗殺される。 バルサは、父の親友で、カンバル国一の短槍使い、ジグロに連れられ、隣国
新ヨゴ皇国に逃れる。 ジグロはカンバル国から差し向けられた刺客からバルサを守り続け、
7年前にこの世を去った。
バルサは、養父ジグロが故郷の国で罪人扱いされていることに心を痛め、彼の汚名を晴らすべく、
生まれ故郷の土を踏む。 しかし、父を死に追いやった王は、すでにこの世を去り、その皇子が
即位していた。 そして、新王を操り、国を支配していたのは、ジグロの弟、ユグロだった。
ユグロは、バルサ暗殺を目論んだだけでなく、国を揺るがす陰謀を企てていた。 バルサは、
ジグロの一族の少年、カッサとともに、ユグロの陰謀を阻止すべく、王都に向かう・・・・・・。
⇒ 「ハリーポッター」のような本格的なファンタジー小説が日本でもついに誕生した、として
話題になった前作「精霊の守り人」に続く「守り人」シリーズの第二弾です。
(ちなみに、前作を読んでいなくてもOKですので、本屋さんで見つけたら迷わず手にしましょう)。
前作「精霊の守り人」のレビューでも書きましたが(読書感想文2008 part1)、このシリーズは
児童文学というジャンルも、ファンタジー小説という枠も超えた存在だと思います。
スケール感もさることながら、僕がこの作品(シリーズ)を好きな理由は、自然や目に見えない
ものやこころをたいせつに扱っている著者の視線です。
第40回 「日本児童文学者協会賞」受賞。 僕のオススメ度:8

コメント  それでも警官は微笑(わら)う (日明 恩=たちもり めぐみ著、講談社文庫)   作品の紹介 

元恋人の父親を無実の罪に追いやった犯人を追う麻薬取締官の宮田。
製造元も売人も不明の密造銃を使用した殺人犯を追う池袋署の刑事、武本と潮崎。
ある日、武本と潮崎は、同じ男を逮捕しようとしていた宮田に出会う。
刑事と麻薬取締官。 本来は水と油のような関係だが、三人はお互いを理解し、
協力関係を結ぶ。 そして、それぞれが捜査を進めていく内、やがて一人の中国人
ビジネスマンに辿り着く。 しかし、三人が対峙しなければならない相手は、国家
権力を後ろ盾にした強敵だった。 それでも、三人は、上司の理解と同僚との絆に
支えながら、じりじりと事件の核心に近づいていく・・・・・・。
⇒ 読みどころ満載の作品です。 ひとつは、武本と潮崎のコンビ。 たたき上げの
現場刑事の武本に対し、潮崎は東大出で名家のお坊ちゃま。 しかも、潮崎は年下
の上司という設定。 このコンビが次第に熟成していくプロセスの組み立てが秀逸
でした。 そして、宮田というキャラの設定。 元獣医学研究者で、学会でも地位
を築きつつあったのに、元恋人の父の死をきっかけに麻薬取締官の現場に飛び込んだ
寡黙ながらもエネルギッシュな男。 そんな宮田が、組織の枠(というか確執)を
越えて、武本・潮崎コンビと事件解決に向かう描写もナイスでした。
事件解決に向けて、三人は多大な犠牲を払うわけですが、後悔せずに明日を迎えよう
という物語全体に流れるテーマがエンディングをさわやかなものにしていました。
タイトルも、このテーマを表現したものなのだと思います。
第25回「メフィスト賞」受賞。
『本の雑誌』おすすめ文庫 2007年度版 警察小説部門:第7位 僕のオススメ度:8

コメント  ぼくは悪党になりたい (笹生=さそう 陽子著、角川文庫)   作品の紹介 

エイジは、17歳の平凡な高校生。 42歳の母親と9歳の弟と三人暮らし。
父親はいない。 弟とは父親が違う。 母は、結婚することなく、未婚の母として、
エイジと弟の二人を産んだのだった。
そんなわけで、母は、輸入雑貨のバイヤーとしてバリバリ働いている。
今回も、ヨーロッパに数ヶ月の出張で家を留守にすることになった。 でも、エイジは
いつものごとく、手慣れた家事を黙々とこなし、楽しみにしていた修学旅行に出かけられる
はずだった。 ところが、出発前夜、弟が水ぼうそうにかかってしまい、エイジは大ピンチ。
そこで、母親の緊急時用アドレス帳から適当に選んだ男に弟の世話を頼むことにした。
幸いなことに、アト・ランダムに選ばれた杉尾という31歳の青年は、エイジの願いを
快諾し、エイジは無事、修学旅行を終えることができた。
その後も、杉尾は、弟の家庭教師をしたり、水族館に連れて行ってくれたり、何かと
エイジたちの世話を焼いてくれる。 しかし、杉尾が昔、エイジの母に恋していたことを
知り、エイジは杉尾を弟の父親だと考える、、、、、、。
⇒ オチは、読んでからのお楽しみということで。 他にも、エイジは、マンションの上の
階に住む人妻に淡い恋心を抱いたり、親友の彼女と恋愛感情もないのに急接近したり。
恋とは呼べないふたつの恋の間で揺れ動いたり、悩んだりします。 そして、物語の後半
では、エイジらしからぬ思い切った行動に出るのですが、、、、、、。
軽妙なタッチですいすい読ませる作品です。 エイジの葛藤をご堪能(?)ください。
『本の雑誌』おすすめ文庫 2007年度版 総合:第6位 僕のオススメ度:8

コメント  火天(かてん)の城 (山本 兼一著、文春文庫)   作品の紹介 

1560年、織田 信長が桶狭間で今川 義元を破ったころから、信長に仕えることになった
熱田の大工の棟梁、岡部 又右衛門のお話。
15年後の1975年、信長が41歳、又右衛門が50歳をこえたころ、信長が安土城築城を命じる。
又右衛門は、総棟梁として、息子の以俊(もちとし)とともに、準備を始めるが、信長の
リクエストは、五重の天主を持ち、石垣に守られた、南蛮風の城だった。
しかし、城づくりを大工の戦場と心得る又右衛門は、不屈の精神で、のべ100万人もの人手を
動員することになる前代未聞の大事業に臨む、、、。
⇒ この物語の主人公は又右衛門なわけですが、城づくりを通して、信長を描いた作品として
見ることもできます。 そして、膨大な取材を経て、描かれた城づくりの描写がほんとうに
精緻で生き生きとしていて。 こんな時代小説もあるんだなあと、とても新鮮でした。
とは言え。 建築系の話が中心なので、少し好みが分かれるかも、、、、、、。
2004年「松本清張賞」受賞。 そして、同年、直木賞候補作。
『本の雑誌』おすすめ文庫 2007年度版 時代小説部門:第4位 僕のオススメ度:7.5

コメント  症例A (多島 斗志之著、角川文庫)   作品の紹介 

34歳の精神科医、榊は、患者との関係を妻に疑われ、離婚。 病院の経営優先主義にも
ついていけず、東京から離れた海辺の病院に職を得た。
この病院で担当となった17歳の高校生、亜左美は、さまざまなことで榊を翻弄する。
妻との離婚の原因になり、自殺に追い込んでしまった、かつての患者の姿を亜左美に
重ねつつも、榊は精神科医としての本道を歩もうと懸命に努力する。 やがて、同じ
病院の臨床心理士の由起から亜左美の精神分析をしたい、との希望を聞くが、もともと
精神分析に懐疑的な榊は由起の望みを一蹴する。 しかし、そんな榊の考えが急変する
瞬間が近づいていた、、、。
時を同じくして、上野の国立博物館の職員、瑶子は、かつて職員だった五十嵐から
同じく職員だった父にあてられた手紙をきっかけに、国立博物館の存在自体を揺るがす
ような秘密に興味を覚え、独自で調査に乗り出す。 やがて、秘密の鍵を握る老人、
五十嵐が精神病院に入院していることを知り、その病院を訪ねる。
その病院で、瑶子は、榊に出会い、ふたつの事件が交錯する、、、、、、。
⇒ なんて感じのミステリー小説×2みたいな作品です。 特に精神病院関連の部分は
丹念に取材されていて、リアリティーを感じたのですが、はたして、事件をふたつ用意
しなくてはいけなかったのか、と言われると、評価がわかれるのではないでしょうか。
精神病院パートだけでもけっこう複雑なのに、その上、国立博物館パートの謎が並走する
ようなカタチで語られるのですから、読者は少したいへんかもしれません。
それでも、560ページを超える骨太の大作に向き合いたい、というミステリー・ファンには
おすすめかも。 僕のオススメ度:7

コメント  残虐記 (桐野 夏生著、新潮文庫)   作品の紹介 

35歳の小説家、小海 鳴海こと生方 景子が突然、失踪した。
あとに残されたのは、25年前、25歳の工員の男に誘拐され、監禁生活を余儀なく
された1年間の暮らしとその後を綴った手記だった。
当時10歳だった景子が、誘拐犯ケンジに抱いた感情とはどのようなものだったのか。
空白の1年間は、その後の景子にどのような影をおとしたのか。
誘拐犯、ケンジの生い立ちと事件の関係は?
ケンジが景子を誘拐するに至った前には、何が起こっていたのか。
どこまでが真実で、どこからが虚構なのか。 どこまでが事実で、どこからが想像なのか。
物語は、事件を紐解きながら、やがて、驚愕の真実と想像に辿り着く、、、、、、。
2004年「柴田錬三郎賞」受賞作。 とは言え。 ブック・レビューを書きづらい作品かも
しれません。 通好みかも。 僕のオススメ度:7

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