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読書感想文2015 part 2
「読書感想文2015」 part2は、3月〜4月の読書録です。
↓ Click NOVEL mark !
東京物語 (奥田 英朗著、集英社文庫)
作品の紹介
計6編を収録した連作短編集。 1978年から1989年の東京が舞台。
名古屋の高校生、田村久雄は、大学受験に失敗。 東京で浪人生活を送り、無事、大学に合格。
でも、1年で中退し、小さな広告代理店に就職。 コピーライターとして、社会人生活がスタート
する。 やがて、フリーになり、仲間と小さな事務所を立ち上げる、、、。
著者の自伝的小説とも言える作品。 テンポがよくて、リーダビリティーばつぐん。
主人公の独白が最高。 時代の切り取り方(キャンディーズ解散とかベルリンの壁崩壊とか)も
秀逸でした。 著者のファンなら、絶対に「買い」の一作。 オススメ度:8.2
珈琲店タレーランの事件簿 (岡崎 琢磨著、宝島社文庫)
作品の紹介
人気シリーズの第一作。 第10回『このミステリーがすごい!』大賞最終候補作。
京都市内でひっそりと営業を続ける珈琲店「タレーラン」。 20歳すぎのひとりの青年が、この店で
理想の珈琲に出会う。 バリスタは、ひとつ年上の女性、切間 美星(きりま みほし)。
彼女は優秀なバリスタであると同時に、店に持ち込まれるさまざまな謎を解き明かす明晰な頭脳の
持ち主だった。 しかし、数年前のある事件が原因で、人の心に踏み込む勇気を持てずにいた、、、。
珈琲のトリビア満載のライト・ミステリー。 路線的には「ビブリア古書堂の事件手帖」に近いかも。
リーダビリティーは高いと思うのですが、美星の人物造形に少し違和感を感じたのも事実。
オススメ度:8.2
思い出のとき修理します (谷 瑞恵著、集英社文庫)
作品の紹介
人気シリーズの第一作。 計5編を収録した連作短編集。
27歳の明里(あかり)は、失恋し、仕事にも疲れ、美容師の仕事をやめる。 心機一転、かつて祖父母が
経営していた理髪・美容店を借りることになるが、まだ気持ちの整理がつかず、美容師としてリスタートを
きるのではなく、コーヒーショップのアルバイトを始める、、、。
明里が引っ越してきた店は、シャッター商店街の一角。 斜め前には、「思い出のとき修理します」という
プレートを掲げた時計店があった。 主人は、明里と同じ歳の秀司。 日々、時計の修理に精を出す、物静か
でやさしい青年。 そして、近くの神社で暮らす禰宜(ねぎ)の甥で、大学生の太一が、秀司とともに、明里の
仲間となる。 明里は、秀司、太一とともに、さまざまな人の思い出を修理するため、懸命に動く、、、。
次第に明かされる明里と秀司の過去。 そして接近する2人。 少しやきもきしたけど、味のあるハッピー
エンドでした。
「ビブリア」しかり、「タレーラン」しかり、近頃なんだか増えた感のある、お店が舞台で、若い女性が謎解き
するというライト・ミステリー。 ミステリーというジャンルにとらわれず、気軽に読めるのが人気の秘密なの
でしょうか。 シリーズ化されたり、ドラマやコミックになったり。 この傾向はまだ続くのかな、、、。
2013年コミック化。 オススメ度:8.1
モダンタイムス(上) (伊坂 幸太郎著、講談社文庫)
作品の紹介
渡辺拓海、29歳。 妻の佳代子は、異常に嫉妬心が強く、渡辺に少しでも疑わしい行動があれば、
拷問さえ辞さない男たちを派遣する。 同僚の桜井ゆかりと不倫中の渡辺のもとに、またしても
謎の男たちが現れる。
一方、渡辺の尊敬する先輩、五反田が失踪。 渡辺は、後輩の大石とともに、五反田の仕事を
引き継ぐが、プログラムには不明な点が多々あり、しかも、発注元のゴッシュなる謎の企業とは
ろくに連絡がとれない始末。
そんな中、5年前に播磨崎中学校銃乱射事件に関連する特定のワードを検索した、渡辺のまわりの
人々が次々に次々に災難に見舞われる。 渡辺は、親友の作家、伊坂から播磨崎中学校銃乱射事件
を題材にした小説の原稿を託され、事件に関係すると思われる安藤潤也に会うため、盛岡に向かう。
妻の行動、不倫相手の行動、五反田の失踪、謎のプログラム、5年前の銃乱射事件、安藤潤也。
どれが話の中心か見えてこない展開。 下巻にかけて、繋がっていくんだろうけど、、、。
じれったい気分をかかえたまま、下巻へ。 オススメ度:8
モダンタイムス(下) (伊坂 幸太郎著、講談社文庫)
作品の紹介
渡辺は、盛岡で安藤潤也の妻から、彼がすでに亡くなっていることを知らされる。 あわせて、安藤
が特殊な能力を持っていたこと、自分が遠い親戚であることもわかる。
渡辺は、失踪中だった先輩、五反田と会社の後輩、大石、そして、妻の佳代子とともに、5年前の
播磨崎中学校銃乱射事件で英雄となった国会議員、永嶋丈のもとへ向かう。
永嶋から語られた、この国のシステム、そして、事件の真相とは、、、、、、。
上巻に比べると、下巻は重厚で読み応えがありました。 とても著者らしい作品だと実感。
ちなみに、この作品に出てくる安藤は、2005年の名作「魔王」の主人公。 「魔王」の続編というわけ
ではないけど、続けて読むのも、おもしろいかも。
「魔王」のブックレビューはコチラ。
オススメ度:8.3
たまゆら (あさの あつこ著、新潮文庫)
作品の紹介
日名子は、70歳を過ぎた夫の伊久男と山の中腹の家でひっそりと暮らしている。
彼女は25歳で、地方の名家に嫁いだものの、子どもに恵まれず、姑、義姉の仕打ちに耐え続けてきた。
結婚12年後、夫の同僚である伊久男と出会う。 お互いに「運命の相手」と直感した2人はすぐに再婚
するが、日名子の前の夫が、自分の家族と日名子の母を斬殺する、、、。
真帆子は、大学進学を控えた18歳。 幼馴染の陽介に好意を持ち続けていたが、お互いに気持ちを告げる
ことなく、高校生になる。 17歳のとき、陽介は父を殺して、失踪。 真帆子は、陽介を「運命の相手」と
確信し、1年後、彼が行きたいと言っていた山に向かう。
雪深い山に分け入った真帆子は、中腹に暮らす日名子・伊久男の助けを借りて、山頂をめざす、、、。
著者の代表作「バッテリー」とは、まったく違う世界を描いた作品。 でも、根底に流れる熱い思いは
共通するかもしれません。 日名子と真帆子の愛と過去が雪山で交錯し、山頂で物語の結末を迎えます。
骨太な恋愛小説。 特に70歳を迎えた日名子の独白は、読み応え十分でした。
「島清恋愛文学賞」受賞。 オススメ度:8.1
犯罪小説家 (雫井 脩介著、双葉文庫)
作品の紹介
新進作家、待井涼司の小説の映画化に、奇才・小野川充が監督/脚本/主演に起用される。
小野川は、待井の小説に、以前、待井の住む町で起きた、自殺系サイト「落花の会」を主催
していた木ノ瀬蓮美の自殺事件と同じ匂いをかぎとり、映画の主人公に投影しようとする。
小野川の異常とも言える執拗さは、待井を当惑させる、、、。
一方、小野川に依頼されて、木ノ瀬蓮美の自殺の謎に迫るライター、今泉知里は、木の瀬蓮美
の周辺に待井と似た男がいたことに気づく、、、。 次第に、蓮美の自殺の真相に迫る今泉。
しかし、最後に思わぬ落とし穴が待ち受けていた、、、。
物語全体を通して、自殺の話が続く、どんより曇った天気のような世界観。 そして、待井と
小野川のかみ合わない会話。 もやもやした感じがラストまで続きます。
ミステリーとしてのクオリティーは高いけど、好き嫌いの分かれる作品かも。 オススメ度:7.9
美晴さんランナウェイ (山本 幸久著、集英社文庫)
作品の紹介
世宇子(ようこ)は、中学一年。 両親と弟、そして、27歳の叔母、美晴と暮らしている。
美晴は短大時代にバイトをしていた古本屋で、今もバイトを続けている。 よく言えば自由人、
悪く言うと、常識はずれの美晴に世宇子も、家族たちもふりまわされっぱなしの毎日。
父親からは、美晴を甘やかさないように言われているが、世宇子は、知らない間に美晴の
ペースに巻き込まれ、結局はめんどうに巻き込まれる。 だけど、世宇子も、家族も、純粋な
心根の美晴を憎めないでいる。
読者も、最初のうちは、美晴の行動が理解不能だけど、だんだん許せるようになっていくのでは
ないかな。 さわやかなホームコメディー。 オススメ度:7.9
はなうた日和 (山本 幸久著、集英社文庫)
作品の紹介
世田谷線沿線を舞台にした、計9編収録の短編集。
家出して、実の父に会いにいく小学5年生の男の子。 定年を目前に控え、部下の美女に
とんだお願いをされるサラリーマン。 30歳のさえないアイドルの女性。 そんな人々の
日常に起こるちょっとした事件を、やさしい目線で描いた佳作。
大きな事件は起こらないけど、小さな事件をきっかけに、小さな幸せを実感できる一作。
個人的に、こういう短編集は、好きです。 オススメ度:8.1
シャイン! (原 宏一著、集英社文庫)
作品の紹介
中小企業の鴨之木製麺工業を舞台にした連作短編小説集。 計6編を収録。
部署や職位のちがう社員たちが語り手となり、短編を積み重ねながら、長編のように、話が
進んでいきます。 読み進めていくうちに、異物混入や原材料の不当表示などの不祥事を
起こす側とそれに立ち向かう側の対立の構図が浮かび上がってきます。 でも、正義の側の
社員たちが気の毒で、ちょっと爽快感に欠けるかな、というのが印象。
オススメ度:7.9
翔る合戦屋 (北沢 秋著、双葉文庫)
作品の紹介
大人気「合戦屋」シリーズの第三作にして、完結編。
1550年、武田晴信(信玄)の中信濃侵攻の前に、豪族連合軍は大敗。 合戦の天才、石堂一徹は、
遠藤吉弘軍退却の殿(しんがり)を務め、絶体絶命の危機にあった。 敵将、仁科盛明は、一徹を
武田軍に誘う。 一徹は即座に断るが、一徹を討つのに多数の兵を失うことをためらい、兵をひく。
一徹は、自軍に合流し、逆に、仁科軍を夜討ちで撃破する。 遠藤吉宏と娘、若菜のもとに凱旋。
吉弘は、一徹と若菜の結婚を認める。 武田が諏訪に侵攻し、こちらに攻めてこないと知るや、
一徹は、休むまもなく、仁科の城をおとし、吉弘の臣下に加える。
やがて、かつて仕えていた村上義清とも同盟を結び、武田に対して、連戦連勝の快進撃を続ける。
そして、武田との大一番の戦が始まった、、、、、、。
主人公の一徹と、一徹が仕える遠藤吉弘、若菜は、架空の人物ですが、それ以外の、物語に登場する
人物(武田晴信、長尾景虎、村上義清、小笠原長時、仁科盛明、真田幸隆など)は実在の人々。
著者は、架空の人物の動き以外は、できるだけ史実に忠実に話を展開しています。
主人公のストイックさと人間らしい一面のコントラストの描き方が秀逸。 戦の描写もライブ感が
あり、戦術もグッド。 歴史エンターテイメント作品としては一級品。
第一作と第二作のブックレビューはコチラ。
オススメ度:8.2
仲蔵狂乱 (松井 今朝子著、講談社文庫)
作品の紹介
江戸時代中期、孤児の身から歌舞伎界の頂点にまで上り詰めた中村仲蔵の一代記。
仲蔵は、三歳で孤児となり、小唄の師匠、踊りの師匠の夫婦の家に小僧として引き取られるが、
やがて養子となり、歌舞伎の世界に入る。 踊りの才能が開花し、子役として成功を収めるが、
贔屓の大店の主人に引き取られ、歌舞伎の世界から足を洗う。 店の跡を継ぐでもなく、身を
持て余し、三年後、育ての親の元に戻り、結婚する。 父が引退後、開いた酒屋は、うまくいかず、
閉店。 歌舞伎への思いを断ち切れない仲蔵は、歌舞伎の世界に戻るが、大部屋の下積みからの
再スタートとなる。 それは、子役時代の栄光とはかけ離れた苦難の日々の始まりだった。
数え切れない屈辱を乗り越え、持ち前のストイックさで芸に向き合う仲蔵は、一歩ずつ一歩ずつ
階段を上り、ようやく世の中に認められる役者となるが、新たな苦難が彼を待ち構えていた、、、。
ひじょうに骨太な作品。 時々、読むのがつらくなるくらいの仲蔵の苦難が、これでもか、これでもか
と、続けて出てきます。 ようやく売れ始めたと思ったら、今度は、歌舞伎界の権力闘争に巻き込ま
れる始末。 最後まで緊張感のある作品でした。
著者の取材が綿密で、江戸時代の歌舞伎に関する知識がかなりアップすることまちがいなし。
「時代小説大賞」受賞作。 オススメ度:8.1
二枚目 (松井 今朝子著、ハルキ文庫)
作品の紹介
人気シリーズの第二作。 正式タイトルは「二枚目 並木拍子郎種取帳」。
表題作(「二枚目」)を含む計5編を収録した連作短編集。
並木拍子郎は、同心の家に生まれたが、兄が家を継ぎ、歌舞伎の作者、並木五瓶に弟子入りする。
五瓶は、芝居の台本づくりの訓練にと、拍子郎に町の噂や出来事を「種取帳」に書き留めるように
命じる。 「種取帳」は、いつしか「捕物帳」の性格を帯びていた、、、。
拍子郎は、師匠の五瓶とその妻の小でん、料理茶屋の娘のおあさ、そして、北町奉行所に勤める兄
とともに、次々に事件の謎を解決していく、、、。
この巻は、おあさの初恋、五瓶の老いらくの恋が描かれていました。 拍子郎とおあさの仲は、なかなか
進展しませんが、ミステリーの部分は快調です。
第一作「一の富」のブックレビューはコチラ。
オススメ度:8.1
三世相 (松井 今朝子著、ハルキ文庫)
作品の紹介
人気シリーズの第三作。 正式タイトルは「三世相 並木拍子郎種取帳」。
表題作(「三世相」)を含む計5編を収録した連作短編集。
三巻の中では、いちばんクオリティーの高い一冊。 ミステリーの仕上がりがすばらしいだけでなく、
人情の部分も濃密に描かれていました。
第一作「一の富」のブックレビューはコチラ。
オススメ度:8.3
陰陽師 瀧夜叉姫(上) (夢枕 獏著、文春文庫)
作品の紹介
ロングセラー、大人気シリーズの第九作。 シリーズ二作目の長編(上下巻)。
平安時代の都の物語。 都で怪異な事件が相次ぎ、平将門に縁のある人々の身にも、さまざまな
災難がふりかかる。 天才陰陽師、安倍晴明と親友の貴族、源博雅は、一連の事件を追ううちに
すべての事件がつながっていることに気づく。 晴明と博雅は、二十年前、将門を斬った親友の
俵藤太、そして高僧、浄蔵の元へ向かう、、、。
下巻に大きな期待を抱かせる舞台設定、そして大きな謎。 スケールの大きさを感じる一作。
「陰陽師」の特設サイトはコチラ。
オススメ度:8.1
陰陽師 瀧夜叉姫(下) (夢枕 獏著、文春文庫)
作品の紹介
ロングセラー、大人気シリーズの第九作。 シリーズ二作目の長編(上下巻)。
平将門は、二十年前、ともに反乱を起こした興与王(おきよおう)により復活の時を迎えていた。
晴明と博雅は、俵藤太、将門の娘、滝子とともに、将門、興与王のもとに向かい、最後の戦いに
挑む、、、、、、。
終盤、正体が明らかになる興与王と晴明の戦い、そして、将門と藤太の対決の描写が秀逸。
シリーズ開始から三十年を迎える「陰陽師」(本作は2005年の作品)。 まだまだ続けてほしい
作品です。
「陰陽師」の特設サイトはコチラ。
オススメ度:8.3
宵闇迫れば (風野 真知雄著、角川文庫)
作品の紹介
正式タイトルは「宵闇迫れば 妻は、くノ一6」。 人気シリーズの第6作。
平戸藩の雙星(ふたぼし)彦馬の新婚の妻、織江は、幕府お庭番のくノ一だった。
わずか一ヶ月で姿を消した織江を追って江戸に出てきた彦馬は、前藩主、松浦静山の屋敷で織江に
再会するが、変装した彼女に気づかない。 一方、織江は、自分の役目のことに加え、彦馬の身を
案じ、彦馬に会うことを我慢する。 織江は、お庭番から抜けることを決意し、母とともに脱走するが、
お庭番の頭領、川村が行く手に立ちふさがる、、、。(ここまでが1巻〜5巻のあらすじ)
織江が実の娘であることを知った松浦静山は、織江にそれを知らせぬまま、彼女を守りつづけることを
決意する。 織江は江戸市中に潜み、無為な日々を過ごす。 そんな織江のもとに、お庭番から宵闇順平
という新たな刺客が放たれる、、、。
前巻とは、うって変わって、動きの少ない場面展開のような位置づけの巻。 やや物足りない印象。
ただし、刺客から織江を守った人物は意外でした。 次巻以降も、活躍するかも。
「妻は、くノ一」1〜4のブックレビューはコチラ。
「妻は、くノ一」5のブックレビューはコチラ。
「妻は、くノ一」の公式サイトはコチラ。
2014年ドラマ化。 オススメ度:7.8
美姫の夢 (風野 真知雄著、角川文庫)
作品の紹介
正式タイトルは「美姫(びき)の夢 妻は、くノ一7」。 人気シリーズの第7作。
お庭番は、織江に対して、新たな刺客、呪術師の寒三郎を送り込む。 一方、彦馬は、静山の
娘、静湖(せいこ)姫と知り合う。 折りしも、彦馬と静湖が連れ立って歩いているところを
織江が目撃し、追い討ちをかけるように、彦馬と姫の縁談の話を耳にする。
そんな中、容赦なく寒三郎の魔の手が織江に迫るが、またしても静山の命を受けた忍びに命を
救われる、、、。
「妻は、くノ一」シリーズの姉妹作「姫は、三十一」の主人公、静湖が登場。 なんと彦馬に
淡い恋心をいだくことに。 そして、彦馬が家督を譲った義理の息子、雁二郎の正体も明らか
になり、物語は終盤に向けて動き出した感がしました。
「妻は、くノ一」1〜4のブックレビューはコチラ。
「妻は、くノ一」5のブックレビューはコチラ。
「妻は、くノ一」の公式サイトはコチラ。
2014年ドラマ化。 オススメ度:7.9
胸の振子 (風野 真知雄著、角川文庫)
作品の紹介
正式タイトルは「胸の振子 妻は、くノ一8」。 人気シリーズの第8作。
彦馬の家の近くに、浜路という女が小さな飲み屋を開く。 同心の原田、西海屋の千右衛門ら
友人とともに、ほどなく、彦馬も常連となった。 偶然にも、お庭番、川村の盟友で、幕閣の
鳥居も常連となり、彦馬たちと顔見知りになる。 しかし、浜路は、かつて、織江の母、雅江と
並び称された腕利きのくノ一であり、お庭番が送り込んだ第三の刺客だった、、、。
織江は、浜路を見張る。 一方、雁二郎は、静山の命を受けて、長崎に旅立つ、、、。
6巻から続くお庭番との刺客の三連戦。 それと並行して進む静山の開国策。 ラストまであと
2巻。 目が離せません。
「妻は、くノ一」1〜4のブックレビューはコチラ。
「妻は、くノ一」5のブックレビューはコチラ。
「妻は、くノ一」の公式サイトはコチラ。
2014年ドラマ化。 オススメ度:7.9
国境の南 (風野 真知雄著、角川文庫)
作品の紹介
正式タイトルは「国境の南 妻は、くノ一9」。 人気シリーズの第9作。
お庭番が次に織江の元に送り込んだのは、親友のくノ一、お蝶だった。 しかし、お蝶は、刺客
ではなく、お庭番に戻るよう、織江を説得する命を受けていた、、、。
一方、長崎で、旧知のシーボルトと再会した雁二郎は、重い病の宣告を受けるが、シーボルトの
支援を受けて、平戸のカピタン(商館長)に、各国への紹介状、オランダ国王名の文書などを
揃えてもらう。
静山は、彦馬に、織江が自分の娘であること、雁二郎が藩最強の忍びであること、そして、貿易
交渉のため、彦馬に船長として外国との交渉の航海に出てもらいたいことを告げる。
二年間での江戸の暮らしに別れを告げ、彦馬は、一路、浦賀に船を出す。 織江は、彦馬をあきら
めることができず、浦賀に向かうが、お庭番の頭領、川村が待ち伏せしていた。 お蝶の助けで、
何とか川村を振り切るが、鳥居が将軍直下の精鋭、四天王を連れて織江の後を追う、、、。
物語はラストに向けて、いよいよクライマックスにさしかかりました。 刺客との三連戦とは違い、
織江と川村の直接対決は、やはり緊迫感が違う気がしました。 さあ、あと一巻、一気読み。
「妻は、くノ一」1〜4のブックレビューはコチラ。
「妻は、くノ一」5のブックレビューはコチラ。
「妻は、くノ一」の公式サイトはコチラ。
2014年ドラマ化。 オススメ度:8.1
濤の彼方 (風野 真知雄著、角川文庫)
作品の紹介
正式タイトルは「濤(なみ)の彼方 妻は、くノ一10」。 人気シリーズの第10作にして、最終巻。
彦馬は、静山とともに長崎に到着し、ついに出航のときを迎える。 しかし、その間際、織江が
船に乗り込むのを察知した川村と四天王が行く手を阻む。 織江は、静山、雁二郎とともに、
最後の戦いに挑む、、、、、、。
ハッピーエンドとは思っていたけど、読み終えるまでは安心できませんでした。 何はともあれ、
ようやくゴール。 安定感のあるエンタメ×時代×恋愛小説でした。
「妻は、くノ一」1〜4のブックレビューはコチラ。
「妻は、くノ一」5のブックレビューはコチラ。
「妻は、くノ一」の公式サイトはコチラ。
2014年ドラマ化。 オススメ度:8.2
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