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読書感想文2015 part 4

「読書感想文2015」 part4は、7月〜8月の読書録です。

 ↓ Click NOVEL mark !
コメント  四畳半神話大系 (森見 登美彦著、角川文庫)   作品の紹介 

「私」は、京都の大学に通う大学3回生。 バラ色の大学生活を想像していたのに、ほど遠い
毎日を送っている。 そんな「私」の4通りの大学生活を描いた青春小説。
第一話は、映画サークルに入部した場合の「私」。
第二話は、8回生の怪人、樋口先輩の弟子となった「私」。
第三話は、ソフトボールサークルに入部した「私」。
そして、最終話は、秘密機関に入部した「私」を描いている。
どの道を歩んでも、あいかわらずの愛すべき「私」と悪友、小津との友情というかくされ縁を
味わう一作。 著者のファンならおススメの作品。 2010年アニメ化。 オススメ度:8.1

コメント  一鬼夜行 (小松 エメル著、ポプラ文庫)   作品の紹介 

明治になったばかりの東京の浅草。 古道具屋を営む喜蔵の家の庭先に空から少年が降ってきた。
その少年は、妖怪たちの百鬼夜行から落ちてきた鬼で「小春」という名であると語る。
かくして喜蔵と小春、人間と妖怪の奇妙な共同生活が始まる。 小春と暮らし始めて以来、喜蔵
のまわりには、さまざまな妖怪が現れ、やっかいごとが持ち上がる。 しかし、小春が次々と事件を
解決していく。 小春の天性の明るさのおかげで、それまで、人付き合いのなかった喜蔵のもとに
かつての親友、近所の人々、そして、肉親までもが集い始める、、、。
物語終盤で明かされる小春の秘密。 河童の女頭領の矜持。 喜蔵と小春のもとに現れる妖怪たちの
事情。 読みどころ満載の新テイストの作品。 人物造形もグッド。
2008年「ジャイブ小説大賞」受賞作。 オススメ度:8.1

コメント  鬼やらい(上) (小松 エメル著、ポプラ文庫)   作品の紹介 

正式タイトルは「一鬼夜行 鬼やらい」。 ↑上記「一鬼夜行」の第二作。
百鬼夜行の列に戻って以来、半年ぶりに小春が喜蔵のもとに帰ってきた。
この半年の間に、喜蔵は、再会した妹、深雪に「共に暮らそう」と言い出せず。
近所の美人、綾子との仲も進展せず。 しかし、多聞という仲のよい得意客ができていた。
多聞は、喜蔵の店で、魂を宿した道具である付喪神ばかりを買っていく。
そんな折、浅草界隈では、女性の前だけに現れる妖怪が頻繁に出没し、妖怪画が人気を呼ぶ。
さっそく捜査に乗り出した喜蔵と小春は、妖怪画の作者が、喜蔵の親友、彦次であることを
つきとめる。 その後まもなく妖怪の正体もつきとめるが、、、、、、。
第一作同様、独特の世界観を持つユニークな妖怪小説。 時代小説、ミステリー小説としての
レベルも高く、シリーズ化にも納得。 オススメ度:8.1

コメント  鬼やらい(下) (小松 エメル著、ポプラ文庫)   作品の紹介 

世間を騒がす妖怪、百目鬼(どうめき)の正体をつきとめた喜蔵と小春は、敵の本拠地に
乗り込むが、直接対決というよりも、相手に翻弄され、かわされ、戦いを終える。
とはいえ、数々の問題も解決し、喜蔵は妹、深雪といっしょに暮らすことになり、近所の
綾子との仲も半歩前進する。しかし、再び、小春との別れのときが近づいていた、、、。
ライトノベルのテイストも併せ持つ作品。 オススメ度:8.1

コメント  ファミリーツリー (小川 糸著、ポプラ文庫)   作品の紹介 

長野県の穂高で生まれたリュウのもとには、東京に住む、父のいとこ、リリーが毎年、
夏休みに遊びにくる。 父のいとことはいえ、リリーは、リュウと誕生日が3週間しか
違わない。 でも、学年は、リュウの姉、蔦子と同じで、リュウよりひとつ上。
リュウとリリーは、相思相愛となり、高校生になるが、リュウの両親に2人の関係が
発覚。 2人は、リュウが大学に入るまで会わない約束をする。 リュウは浪人の末、
東京の大学に合格。 2人にとって、待ち焦がれたときがやってくるが、、、、、、。
せつなくて、いとしくて、心ヒリヒリの恋愛×青春小説。
若者向き、女性向きのお話なのかもしれません。 でも、けっこうおもしろかった。
著者のヒット作「食堂かたつむり」のブックレビューはコチラ。  オススメ度:8.2

コメント  ギフト (日明 恩著、双葉文庫)   作品の紹介 

消せない過去を背負い、ビデオレンタル店の遅番店員として、ひっそりと生きている
須賀原。 この世に未練を残して亡くなった人や動物、そして、生きている人間の
隠しておきたい問題まで見えてしまう明生。 孤独な31歳の男と中学生が、出会い、
心の距離を縮め、やがて、救いを待っている亡霊や生きている人間のために、懸命に
はたらく、というお話。 計6編の連作短編集の体裁をとった作品。
ミステリーの要素もからめて、うまくまとめあげていると思ったけど、突き抜けるデキ
のお話がなかったのが残念。 オススメ度:7.8

コメント  温室デイズ (瀬尾 まいこ著、角川文庫)   作品の紹介 

みちると優子は中学3年生。 卒業を半年後に控え、学校は荒廃していた。 みちるは、
荒廃を止めようとするが、いじめの対象に。 親友のいじめを見かねた優子は、教室に
いるのがつらくなり、登校拒否一歩手前の生徒が集まる相談室登校に切り替える。
みちるへのいじめは続くが、校内暴力に立ち向かう臨時雇いの教師、吉川と心を通わせる
ようになる。 優子は、フリースクール通学となり、卒業まで一か月となる、、、。
随所に著者らしさが出ていましたが、やはり、いじめの話を読むのはつらかったです。
この著者には、やさしい心根の作品が似合います。 オススメ度:7.7

コメント  床下仙人 (原 宏一著、祥伝社文庫)   作品の紹介 

表題作(「床下仙人」)を含む計5編を収録した短編集。
仕事が忙しく、家庭を妻にまかせきりの男の家の床下に住み着いた謎の男の話。
会社の実力者の専務を失脚させる野望に燃える定年間際の謎の写真の話。
男性中心社会に鉄槌を下すべく武装化した女性ばかりのマンションの話。
派遣社員ならぬ派遣社長を雇った小さなデザイン会社の悲喜劇の話。
リストラされた50代の男と高一の家出娘が渋谷の街で始めた靴磨きビジネスの話。
どれも、とんでもない設定の、風刺とウィットが効いた作品集。 オススメ度:7.8

コメント  フラッタ・リンツ・ライフ (森 博嗣著、中公文庫)   作品の紹介 

タイトルを英語で書くと「Flutter into Life」。 「スカイ・クロラ」シリーズの第4作。
しかし、第1作「スカイ・クロラ」が時系列ではいちばん最後のお話。
物語の舞台は近未来。 戦争がショーとして行われている時代。 戦争に参加するのは
「キルドレ」と呼ばれる10代の少年・少女たち。 「キルドレ」は、遺伝子操作で生まれた
特殊な存在。 成長が止まり、戦闘以外では死なない。
本作の語り手は、クリタ ジンロウ。 上官、草薙のもと、同僚、土岐野とともに戦闘機で空を
駆ける日々を送っている。 クリタは戦闘のあと、娼婦のフーコのもとへ向かう。
そして、フーコの店からの帰り、サガラ アオイの家に立ち寄る。 サガラは、戦闘で命を落と
したホンジョーの恋人で、キルドレを普通の人間に戻す新薬を開発中の科学者だった。
やがて、サガラは、身の危険を感じ、クリタの助けを借りて、逃亡を図る。 別れ際、クリタは
サガラから草薙に関する重大な秘密を聞く、、、、、、。
あいかわらず独特の世界観をもったシリーズ。 戦闘シーンはあるのだけれど、全編を覆い
尽くす覚めた視点、体温の低さ。 ハマる人は、ハマるのでしょう、たぶん。
第1作「スカイ・クロラ」のレビューはコチラ。  オススメ度:7.8

コメント  銀座開化おもかげ草紙 (松井 今朝子著、新潮文庫)   作品の紹介 

計5編を収録した連作短編集の体裁をとった作品。 舞台は明治7年の銀座。
士族の次男坊、久保田宗八郎は、維新の際、官軍の将校を斬りつけ、女と北海道に
渡る。 4年後、帰京し、兄の依頼で銀座のガス灯工事の用心棒の職につく。
宗八郎の隣人たちは、元大垣藩主の息子、薩摩出身の巡査、キリスト教の書店を
営む元与力など、個性豊かな面々。 さらに奥医師の娘にまで好意を寄せられ、
文明開化の波に乗るかに見えたが、さまざまな事件に首を突っ込んでしまう。
やがて、殺人事件の捜査にまで関わり、宿敵との対決を決意する、、、。
明治初期の空気感、世相、文化をみごとに描いています。 さらに、青春小説、
ミステリー小説、歴史小説としても一級品の仕上がり。 さすがは著者の作品。
本作はシリーズ化され、現在、第三作まで発売中。 ススメ度:8.2

コメント  天女湯おれん (諸田 玲子著、講談社文庫)   作品の紹介 

1830年代の江戸。 23歳のおれんは、養父から受け継いだ湯屋「天女湯」の主人
として、忙しく働いている。
天女湯のすぐ近くで、辻斬り事件が発生。 町方の捜査に関わらず、2件目の
事件が起こる。 おれんは、まわりの人たちと犯人探しに加わる、、、。
辻斬り事件は解決するも、次から次へと降りかかる難題への応対に大忙しの
おれん。 やがて、匿った武士との恋も実を結ぶかに見えたが、、、。
どの作品を手にとっても安心して読める、実力派の著者の人情話。
ミステリーの要素も織り込まれているし、エンターテイメント性も十分。
本作はシリーズ化されました。 オススメ度:8.1

コメント  天女湯おれん 春色恋ぐるい (諸田 玲子著、講談社文庫)   作品の紹介 

「天女湯おれん」シリーズの第3作。 計7編を収録した連作短編集の体裁。
第2作が第1作の前の話なので、時系列的には、本作が第1作の続きのお話。
第1作に続き、人助けに、事件の解決に大忙しのおれん。 そして、新しい恋の
予感に胸ときめかせるが、、、、、、。
バラエティーに富んだラインナップ。 読者を飽きさせない構成。 第1作同様、
安定した仕上がり。 オススメ度:8.1

コメント  こいしり (畠中 恵著、文春文庫)   作品の紹介 

大人気「まんまこと」シリーズの第二作。
江戸神田の名主の息子、高橋 麻之助、22歳。 16歳の時に人が変ったかのような
お気楽者になり、飄々と生きてきたが、武家の娘、お寿ずと結婚する。
結婚しても、お気楽な気性に変化はないが、町名主の跡取りとしての自覚も少しは
芽生え、少しずつ仕事をし始める。 そして、隣町の名主の息子でプレイボーイの
清十郎、同心見習いでカタブツの吉五郎という親友とともに、町内で起こる事件を
名探偵のように解決していく、、、、、、。
著者の代表作「しゃばけ」シリーズに匹敵する人気シリーズになる予感。
第一作「まんまこと」のブックレビューはコチラ。  「まんまこと」シリーズの特設サイトはコチラ
2105年NHKでドラマ化。 オススメ度:8.3

コメント  くるすの残光 (仁木 英之著、祥伝社文庫)   作品の紹介 

人気シリーズ「僕僕先生」、「千里伝」に続く、著者の新シリーズの第一作。
1638年2月、島原の乱は終結を迎えようとしていた。 天草四郎は、生まれ変わりを約束し、
7つの「聖遺物」を解き放つ。 四郎の力を与えられた「修道騎士」たちは、敵の本拠地、
江戸に向かう、、、。
1642年4月、江戸、阿部川町の長屋に、寅太郎はじめ修道騎士は、聖遺物を探索すべく
ひっそりと暮らしていた。 やがて、幕府を裏で操る怪僧、天海と切支丹討伐の精鋭部隊
「閻羅衆」と修道騎士の対決のときが幕をあける、、、、、、。
おもしろかったんだけど、まだ壮大な物語のイントロダクションの段階という印象。
「僕僕先生」1〜3のブックレビューはコチラ。  「千里伝」のブックレビューはコチラ
オススメ度:7.8

コメント  陰陽師 醍醐の巻 (夢枕 獏著、文春文庫)   作品の紹介 

安倍晴明を主人公にしたロングセラーの人気シリーズ。 計9編を収録。
あいかわらずの安定したクオリティー。 短めの作品のラインナップでしたが、
満足のデキ。 オススメ度:8.1

コメント  鬼平犯科帳 23 (池波 正太郎著、文春文庫)   作品の紹介 

短編「隠し子」と長編「炎の色」の計2編を収録。
「隠し子」は、鬼平の父、宣雄の隠し子で、平蔵の異母妹、お園が登場。
「炎の色」は、密偵おまさが活躍する一編。 オススメ度:8

コメント  鬼平犯科帳 24 (池波 正太郎著、文春文庫)   作品の紹介 

短編2作と長編「誘拐」の計3編を収録。 シリーズ最終巻。
「誘拐」は、作者逝去のため、未完。 シリーズ24巻、ついに読了。
「剣客商売」とともに、長い間、読書の喜びを与えてくれた作品です。
オススメ度:8

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