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読書感想文2015 part 5

「読書感想文2015」 part5は、9月〜10月の読書録です。

 ↓ Click NOVEL mark !

コメント  東京バンドワゴン (小路 幸也著、集英社文庫)   作品の紹介 

現在、第10作まで刊行中の人気シリーズの第一作。
東京の下町の「東京バンドワゴン」という古本屋を舞台にした物語。
堀田家は、当主、79歳の勘一を筆頭に、勘一の息子で60歳のロッカー、我南人(がなと)。
我南人の娘で35歳のシングルマザー、藍子。 34歳の弟、紺の家族。 我南人の愛人の息子で
26歳の青など4世代同居の大家族。 そこに、青の奥さん候補を名乗るみすずが押しかけてきて
同居することになる、、、、、、。
堀田家の面々の人物造形が、群を抜くすばらしさ。 堀田家にかかわる町内の人々も個性的。
「東京バンドワゴン」の内と外で起こる問題を、家族みんなで協力し、解決していくさまが
爽快感たっぷりに描かれていて、笑いと涙と感動てんこもりの作品に仕上がっています。
超一級品の家族小説であり、肩のこらないミステリーの要素もプラスされているのも魅力。
「東京バンドワゴン」シリーズの特設サイトはコチラ
2013年、ドラマ化。 おススメ度:8.4

コメント  シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン (小路 幸也著、集英社文庫)   作品の紹介 

大人気「東京バンドワゴン」シリーズの第二作。 堀田家の新しい一年を季節ごとに描いた4編を収録。
第一作に続いて、パワーもクオリティーも落ちていない秀作。
しかも、いい感じに新しい登場人物が増えたり、第一作から登場している人物の過去を紐解いたり、
深堀りしたり。 おまけに、生き別れのきょうだいとの再会やら、結婚やら、出産やら、ドラマティックな
要素もたっぷり。 人助け、人情の配合も、ミステリーの配分も絶妙。
一気読みの2巻。 わき目もふらず、3巻へ。 おススメ度:8.5

コメント  スタンド・バイ・ミー 東京バンドワゴン (小路 幸也著、集英社文庫)   作品の紹介 

大人気「東京バンドワゴン」シリーズの第三作。 春夏秋冬の4編を収録。
パワーが落ちない第三作。 ますます広がる堀田家ワールド。 こんなにリーダビリティーの高い
小説って、そうそう巡りあえないのでは、と思います。
ほんとうにクセになるおもしろさ。 書店員のみなさんの評価が高いのにも納得。 おススメ度:8.4

コメント  マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン (小路 幸也著、集英社文庫)   作品の紹介 

大人気「東京バンドワゴン」シリーズの第四作。
物語の舞台は、終戦直後。 第三作までとはうってかわって若き日の勘一とサチを描いた番外編。
華族である五条辻家のひとり娘、咲智子は、父親から重要文書を託され、親戚のもとへ向う。
しかし、上野駅でアメリカ兵に見つかり、連行されそうなところを、「東京バンドワゴン」のひとり息子、
勘一に救われる。 咲智子は、そのまま勘一の家に匿われ、勘一の妻という触れ込みでサチと名乗る。
偶然にも、勘一の父、草平は、サチの父親の親友であり、何者かに連れ去られたサチの両親を救出
すべく立ち上がる。 そして、サチを守るため、ジョー、十郎、マリアという心強い味方が堀田家で
暮らし始める。 やがて、サチの両親の軟禁されている場所がわかり、彼らはある作戦を開始する。
人気シリーズの番外編は、ふつう本編よりもパワーが落ちるものですが、本作は、本編と同じくらい
のクオリティーをキープ。 本編で語り部として登場しているサチの若き日々を生き生きと描ききって
います。 独立した作品として読んでも超一級品。 本シリーズの懐の深さを改めて感じさせてくれる
作品でした。 おススメ度:8.4

コメント  うたうひと (小路 幸也著、祥伝社文庫)   作品の紹介 

計8編を収録した短編小説集。 それぞれの作品の主人公は、皆ミュージシャンという趣向。
音楽の持つ力、音楽を愛する人たちのやさしさ、強さを、バリエーション豊かな物語に落とし
こんだ佳作。 おススメ度:8

コメント  非正規レジスタンス (石田 衣良著、文春文庫)   作品の紹介 

正式タイトルは「非正規レジスタンス 池袋ウエストゲートパーク[」。 ロングセラーシリーズの第8作。
表題作(「非正規レジスタンス」)を含む計4編を収録。
久々のIWGP(池袋ウエストゲートパーク)。 以前より社会ネタが多くなった印象。 でも、あいかわらず
独特の世界観はキープ。 おススメ度:8

コメント  ドラゴン・ティアーズ (石田 衣良著、文春文庫)   作品の紹介 

正式タイトルは「ドラゴン・ティアーズ−龍涙(りゅうるい) 池袋ウエストゲートパーク\」。
ロングセラーシリーズの第9作。 表題作(「ドラゴン・ティアーズ−龍涙」)を含む計4編を収録。
久しぶりにIWGPの世界に触れたので、懐かしのテレビシリーズのDVDを思わず観てしまいました。
おススメ度:8.1

コメント  PRIDE−プライド (石田 衣良著、文春文庫)   作品の紹介 

正式タイトルは「PRIDE 池袋ウエストゲートパーク]」。 ロングセラーシリーズの第10作。
表題作(「PRIDE」)を含む計4編を収録。 シリーズ第1期 完結編。
13年に渡り、書き続けられた第1期完結にふさわしい表題作。 第2期の刊行が待ち遠しい。
おススメ度:8.1

コメント  イッツ・オンリー・トーク (絲山 秋子著、文春文庫)   作品の紹介 

著者のデビュー作にして「文學界」新人賞受賞作品。
表題作(「イッツ・オンリー・トーク」)と「第七障害」の二編を収録。
表題作は、35歳、橘 優子のお話。 優子は、かつては新聞社で記者をしていたが、今は、売れない
画家、というか無職に近い状態。 持病の精神病とも、どうにかこうにか付き合って生きている。
ある日、直感で蒲田に引っ越し、大学の同級生の区議会議員に再会。 まもなく九州から従兄弟の
祥一が上京し、同居生活を始める。 祥一は、区議会議員の事務所でボランティアとして働き始める。
一方、優子は、出会い系サイトで知り合ったヤクザや痴漢のkさんと会っていた、、、、、、。
絲山さんは、不思議な魅力を持った作家です。 古本屋で著書を見かけたら、必ず手にとってしまう
そんな磁力、筆力をお持ちの実力派というイメージかな。
2006年、映画化。 おススメ度:8

コメント  恋愛寫眞 (市川 拓司著、小学館文庫)   作品の紹介 

正式タイトルは「恋愛寫眞(しゃしん) もうひとつの物語」。
誠人(まこと)は、同じ大学に通う静流(しずる)と知り合う。 静流は、成長が止まった
ような小柄で、少し変わった、でも、まっすぐな女の子だった。 二人は、すぐに友だちに
なるが、誠人は、同級生のみゆきに片思いをしていた。 静流は、誠人の想いをわかった上で
彼に告白する。 誠人は、静流の想いに応えることはできなかったが、二人の関係がこわれる
ことはなかった。 静流は、みゆきとも親友になり、誠人と二人で写真に熱中する。
やがて、静流は、ある理由で実家を追い出され、誠人と同居を始める。 就職活動そっちのけ
で写真にのめりこむ二人。 そして、写真コンテストで入賞した静流は、誠人にキスをお願い
する。 しかし、そのキスを最後に、静流は、誠人の前から姿を消す、、、、、、。
タイトルの通り、きゅんきゅんのラブストーリー。 静流のせつない想いが全編にあふれていて
リーダビリティーも高い一作でした。 2006年に、宮崎あおいさん主演で映画化。 やはり、こう
いう役は、彼女にしかできないと思います。
「いま、会いにゆきます」の著者の作品。 おススメ度:8.1

コメント  感染遊戯 (誉田 哲也著、光文社文庫)   作品の紹介 

「ストロベリーナイト」で始まった大人気「姫川玲子シリーズ」の第5作。
とはいえ、本作には、主人公の姫川がほとんど出てきません。 シリーズのスピンアウト的と
いうか、外伝的な位置づけの作品です。
元官僚が殺害される事件が次々と起こる。 捜査本部に身を置く、姫川の天敵、「ガンテツ」こと
勝俣、姫川の元部下、葉山は、本部の意向とは一線を画した独自の捜査で核心に近づいていく。
姫川なしでも十分おもしろい作品に仕上がっていました。 骨太の一級品警察小説。
けど、人間関係がややこしくて、読み進めるのに、ちょっと苦労したかも。 
第1作「ストロベリーナイト」、第2作「ソウルケイジ」のブックレビューはコチラ。  おススメ度:8.1

コメント  眠りの森 (東野 圭吾著、講談社文庫)   作品の紹介 

「新参者」、「麒麟の翼」でおなじみの加賀恭一郎シリーズ初期の作品。
バレエ団に強盗が入り、若手バレリーナの葉瑠子が正当防衛で強盗を殺してしまう。
警視庁捜査一課が所轄署とともに捜査を開始。 捜査一課の加賀は、捜査を進めるうちに
葉瑠子の親友の未緒に惹かれ始める。 やがて、バレエ団の演出家が殺害され、続けて
若手団員の殺人未遂事件も発生する。 捜査は難航するが、加賀の閃きにより、徐々に
核心に近づいていく。 やがて、団員の一人が自殺し、事件は終局に向かう、、、。
よく練られた構成。 ミステリーファンも納得の一冊。 おススメ度:8

コメント  キング & クイーン (柳 広司著、講談社文庫)   作品の紹介 

元警視庁SPの冬木安奈は、チェスの世界王者アンディ・ウォーカーの護衛依頼を受ける。
アンディは、謎の男二人から襲われ、なんとか危機をしのぐ。 アンディの命を狙っている
のは、アメリカ大統領であるとの話にとまどう冬木。 その後も、冬木は、アンディを、安全
場所に匿うが、わずかな外出の隙に、アンディが姿を消す、、、、、、。
終盤のだまし絵みたいなトリックに「やられた感」はあるのですが、主人公の冬木にも、
アンディにも、いまいち感情移入できず、、、。 おススメ度:7

コメント  アウトサイダー (深町 秋生著、幻冬舎文庫)   作品の紹介 

正式タイトルは「アウトサイダー 組織犯罪対策課 八神瑛子 V」。
雑誌記者だった夫の謎の死の真相を探るため、危険を顧みず、闇の社会と対峙する
上野署の刑事、八神 瑛子。 自らの身の危険や仲間の死をこえて、ようやく夫の
死の核心にたどり着いたかに見えたが、さらなる危機が彼女を襲う、、、、、、。
第1作、第2作に続き、バイオレンス色たっぷりのミステリー。
映画っぽい描写がナイス。 さみしいけど、これでシリーズ完結かな。
第1作「アウトバーン」のブックレビューはコチラ
第2作「アウトクラッシュ」のブックレビューはコチラ。  おススメ度:8

コメント  同期 (今野 敏著、講談社文庫)   作品の紹介 

宇田川 亮太、32歳。 警視庁捜査一課の巡査部長。 蘇我 和彦、32歳。 宇田川と同期で
公安の所属。 かつては、二人で飲みに出かけたが、最近は、そういう機会がない。
ある日、宇田川は、暴力団事務所の家宅捜索中に、現場から逃走した男を追跡する。
男は、宇田川に発砲するが、その場に居合わせた蘇我に命を救われる。 三日後、蘇我は
懲戒免職となり、姿を消す。 宇田川は、蘇我の行方を捜すが、何の手がかりもつかめな
かった。 そんな折、宇田川に発砲した男が殺害される。 宇田川は、捜査本部に加わり、
捜査一課の先輩、植松と同期の所轄署の刑事、土岐とコンビを組んで捜査にあたる。
やがて、蘇我の消息を調べるにあたり、通称「ゼロ」と呼ばれる公安の情報分析室から圧力
がかかっていることを知る、、、、、、。
さすがは、警察小説の重鎮の一作。 安定した仕上がり。 骨太な作品。 おススメ度:8

コメント  さよなら渓谷 (吉田 修一著、新潮文庫)   作品の紹介 

桂川渓谷で起こった幼児殺害事件。 警察は、母親の立花里美を容疑者とし、マスコミが
さびれた市営住宅に殺到する。 そんな中、現場取材を続ける週刊誌記者の渡辺は、里美の
隣家に妻と暮らす尾崎が学生時代、ある事件で逮捕されたことを知る、、、。
やがて、里美の証言と妻の証言で逮捕される尾崎。 その間も、尾崎の過去を丹念に取材
した渡辺は、衝撃の事実を知る、、、、、、。
骨太の作品とは思うのですが、ちょっと話が重すぎる感じ。 読み進めるのが、ツラくなる
こともあり。 救いがないわけではないのだけど、、、。 おススメ度:7.5

コメント  黄泉坂案内人 (仁木 英之著、角川文庫)   作品の紹介 

会社社長から一転、タクシー運転手となった磐田速人は、ある日、入日村に迷い込む。
そこは、この世とあの世のはざまの村だった。 速人は、村の少女、彩葉(いろは)とともに、
この世に未練を残した魂をあの世に送り出す仕事を始める、、、。
著者お得意のファンタジー小説。 設定はおもしろいと思うのだけれど、他の作品(「僕僕先生」
シリーズや「千里伝」など)にくらべると、こじんまりした印象。 おススメ度:7

コメント  球団と喧嘩してクビになった野球選手 (中野渡 進著、双葉文庫)   作品の紹介 

元プロ野球選手の自伝的ノンフィクション。 著者は、1999年のドラフト7位で投手として、
横浜ベイスターズに入団。 2001年に63試合に登板。 5勝1敗、防御率2.61の成績を残す。
しかし、登板過多がたたり、2002年は登板5試合。 2003年は登板7試合。 そして、2003年
オフに解雇。 翌年、もつ鍋屋を開業。 わずか4年のプロ野球生活だった、、、。
そんな著者の型破りなキャラクターが巻き起こす波瀾万丈のエピソード満載の作品。
有名選手との交流の描写もリアル。 笑いあり、涙ありの一冊。
著者の現役時代を知っていたら、もっとおもしろかったかも。
「本の雑誌」2014年度 文庫 総合:第1位。 おススメ度:8

コメント  恋かたみ (諸田 玲子著、集英社文庫)   作品の紹介 

正式タイトルは「恋かたみ 狸穴あいあい坂」。 「狸穴あいあい坂」シリーズの第2弾。
火盗改方与力の娘、結寿は、同心・妻木道三郎と身のまわりで起こる事件を解決していく
うちに恋仲になる。 しかし、道三郎には死別した妻との間に七歳の男の子がおり、旗本と
御家人という身分の違い、さらには火盗改と奉行所が犬猿の仲であるという三重苦。
そんな中、結寿に縁談の話が持ち上がる、、、、、、。
第一作同様、質のよい、時代小説×恋愛小説×ミステリー小説の一作。 とはいえ、苦難を
乗り越えて結ばれると思っていた結寿と道三郎が結ばれない、ほろ苦くせつないストーリー
に、驚きもあり、、、。 第三作でも結ばれないんでしょうねえ、たぶん、、、。
「狸穴あいあい坂」第1弾のブックレビューはコチラ。  おススメ度:8

コメント  桜花を見た (宇江佐 真理著、文春文庫)   作品の紹介 

表題作(「桜花(さくら)を見た」)を含む計5編を収録した短編小説集。
表題作は、遠山の金さんの隠し子のお話。 他にも、葛飾北斎の娘の話など、著者らしい
緻密な取材が光る作品集。 人情話としても一級品。 おススメ度:8.1

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