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読書感想文2015 part 6

「読書感想文2015」 part6は、11月〜12月の読書録です。

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コメント  疾風ロンド (東野 圭吾著、実業之日本社文庫)   作品の紹介 

大学の研究所から生物兵器が盗まれた。 犯人は元研究員で、引き換えに3億円を要求する。
犯人はスキー場の木の下に生物兵器を埋め、目印に木につるされたテディベアの写真を送ってきた。
研究所の所長、東郷は、主任研究員の栗林に犯人との交渉を命じる。 しかし、その矢先、犯人が
交通事故で死亡する、、、。
栗林は、スノボ好きの中二の息子、秀人のネットワークを使って、生物兵器が埋められたスキー場を
特定。 息子とともに長野の里沢温泉スキー場に向かうが、広大な敷地、しかもコース外の場所を
探し当てることは不可能に思われた、、、。 しかも、犯人の盗難を手引きした女性研究員の弟が
生物兵器を横取りすべく、栗林に接近する、、、。
栗林は、架空の話をでっちあげて、スキー場のパトロール隊員から捜索の協力を得る。 紆余曲折の
末、なんとか生物兵器を回収するが、最悪の展開が待ち受けていた、、、、、、。
ラストまで気の抜けない緊迫した展開。 映像が浮かんでくるリーダビリティーの高い作品に仕上がって
いました。 おススメ度:8.1

コメント  陽だまりの彼女 (越谷 オサム著、新潮文庫)   作品の紹介 

広告代理店勤務の25歳、浩介は、クライアントとの打ち合わせで、中学時代の同級生、真緒に
再会する。 中学時代の真緒は、性格は明るいものの、超劣等生。 マイペースが災いし、周囲
から浮いた存在だった。 ところが、10年ぶりに再会した彼女は、仕事もできる美女に変貌をとげ
ていた。 浩介は、一目で恋におち、あっという間に駆け落ち同然で結婚。 幸せな新婚生活が
始まる。 しかし、真緒には、とんでもない秘密があった、、、、、、。
ラブコメ小説と思いきや、中盤以降はミステリー小説の様相を呈し、終盤はファンタジー小説と
なる展開。 ラストは賛否両論あるかも。 作風としては、好きだけど、個人的には、ラストはやや
納得いかず。 2013年映画化。 おススメ度:8

コメント  紙の月 (角田 光代著、ハルキ文庫)   作品の紹介 

短大を卒業し、25歳で結婚した梨花は、専業主婦をしていたが、銀行でパートを始める。
まじめな働きぶりが評価され、営業成績もトップクラス、契約社員となる。 しかし、結婚生活は
子どもにも恵まれず、夫との心の距離も広がり始める。 そんなとき、顧客の孫で、大学生の光太と
出会う。 純粋な心を持つ光太に惹かれ始める梨花。 やがて、光太のために顧客の金に手をつけ、
後戻りできない状況に追い込まれていく、、、、、、。
小説としてのクオリティーは、かなり高いと思います。 第三者的に、クールに読み進められれば
よかったのだけれど、テーマが重く、時々、読むのがツラくなってしまいました。
「柴田錬三郎賞」受賞作。 2014年映画化。 おススメ度:8

コメント  ふがいない僕は空を見た (窪 美澄著、新潮文庫)   作品の紹介 

高校1年の卓巳は、12歳年上の人妻、里美と不倫している。 とはいえ、アニメ好きの里美に命じられる
ままにコスプレした状態でのセックス。 そんな卓巳にも、同級生の七菜(なな)という彼女ができて、
里美と別れる決心をするのだが、、、、、、。 一方、里美は、姑にせっつかれて不妊治療をするが、
うまくいかず、アメリカで代理出産を依頼することに、、、、、、。
やがて、二人に大きな問題がふりかかる、、、、、、。
1章ごとに語り手の変わる5章仕立ての作品。 卓巳、里美、七菜、卓巳の親友、卓巳の母親が語り手。
話題先行の作品かもと思って読み始めたら、おもしろい、おもしろい。 さすがは「本屋大賞」2位に
選ばれただけのことはありました。 巻末の重松 清さんの解説も秀逸。 5人の語り手がかかえる「やっ
かいなもの」の描写がばつぐんにうまい。 著者の他の作品も読みたくなりました。
2009年「R-18文学賞」受賞。 2010年「本の雑誌」第1位。 2011年「本屋大賞」第2位。
2011年「山本周五郎賞」受賞。 2012年映画化。 おススメ度:8.5

コメント  火花 (又吉 直樹著、文藝春秋)   作品の紹介 

二十歳の売れない芸人、徳永は、営業先で4歳年上の先輩芸人、神谷と出会い、弟子入りする。
やがて、神谷は、大阪から東京に仕事の場を移し、二人は、濃密な時間を共有することに。
天才肌の神谷は、徳永に笑いの本質を伝授しようと議論を重ねる、、、。
徳永はテレビにも出演するようになり、少し売れ始めるが、長続きしなかった。 やがて、子どもが
できたことをきっかけに相方が芸人をやめることになり、コンビは解散。 徳永は、30歳を前に芸人
をやめることに。 一方、神谷は、同棲相手とも別れ、借金もふくらみ、蒸発する、、、。
やがて、二人は、再会を果たすが、、、、、、。
もっとライトな仕上がりかなと思っていただけに、思いのほか理屈っぽい会話の応酬にやや疲れた
というのが偽らざる感想。 やっぱり、芥川賞は、こういう感じじゃないととれないのかな、、、。
2015年「芥川賞」受賞作にして、240万部突破のベストセラー。 おススメ度:7.2

コメント  ソロモンの犬 (道尾 秀介著、文春文庫)   作品の紹介 

湘南の海辺近くの大学生、秋内は、京也、ひろ子、智佳と平凡な大学生活を送っていた。 しかし、
目の前で、大学教員の椎崎鏡子のひとり息子、陽介が飼い犬に引きずられ、交通事故で命を落とす。
事故の真相に疑問を持った秋内は、動物生態学に詳しい間宮助教授に相談する。 ほどなく、椎崎も
自殺を遂げる。 秋内と間宮は、ふたりの死を調べるうちに、さまざまな秘密に近づいていく、、、。
だまし絵みたいなトリックもあり、ミステリー小説としてのクオリティーは高いと思うのですが、物語の
世界観がなんだかどんよりしていて、人物造形も個人的には好みではなかったかも。 おススメ度:7.9

コメント  ふるさと銀河線 (高田 郁著、双葉文庫)   作品の紹介 

「みをつくし料理帖」の著者による短編集。 表題作を含む9編を収録。
美しい心根を持った人たちの旅立ち、再生、終焉を描いた佳作。
派手さはないけれど、人生に向き合う姿勢が清々しい人たちの物語。 おススメ度:8.1

コメント  逃亡くそたわけ (絲山 秋子著、講談社文庫)   作品の紹介 

軽い気持ちで自殺未遂をして、福岡の精神病院に入院させられた21歳の大学生、花ちゃん。
彼女は、名古屋出身で慶応卒の24歳の会社員、なごやんを誘って、唐突に病院を脱走。
なごやんの車で福岡から大分、熊本、宮崎、鹿児島へと逃亡の旅を続ける、、、、、。
登場人物は、ほぼ花ちゃんとなごやんの二人。 幻聴や幻覚に悩まされながらも、二人で
無計画ながらも力を合わせて旅する姿をロードムービー風に描いています。 花ちゃんの
博多弁が強烈。 おススメ度:8.1

コメント  オー!ファーザー (伊坂 幸太郎著、新潮文庫)   作品の紹介 

高校2年の由紀夫には、4人の父親がいる。 由紀夫が生まれる前に4人同時に付き合って、
4人と結婚(籍は入れず)。 由紀夫を出産したのち、多夫一妻の生活を送っている。
破天荒なギャンブラー、女好きのバー経営者、冷静な大学教授、熱血漢の体育教師。
個性あふれる父4人に囲まれ、由紀夫は数々の事件に巻き込まれる。 ついに、命に危険が
及ぶ事件に巻き込まれるが、4人の父親の型破りの作戦が始まる、、、、、、。
あいかわらず、伊坂作品独特の世界観、空気感は顕在。 伏線の張り方も超一級品。
父親が4人という設定を存分に生かしきった作品。 でも主人公のキャラがやや弱めか。
著者の「第一期」最後の作品(ちなみに「第二期」最初の作品は「ゴールデンスランバー」)。
おススメ度:8.1

コメント  我が家の問題 (奥田 英朗著、集英社文庫)   作品の紹介 

計6編を収録した短編集。 ささやかだけど、悩ましい「我が家の問題」をテーマにした
作品をラインナップ。 夫婦間の問題が5編。 子どもの問題が1編。
夫が実は仕事ができないとわかった妻。 新婚なのに家に帰りたくない夫。
UFOを毎晩見るという夫の告白にとまどう妻。 それぞれの家庭で持ち上がる問題を
深刻ではなく、かといって笑いにするのでもなく、いい塩梅で描いていく著者の視点が
秀逸。 おススメ度:8.1

コメント  陽だまりの偽り (長岡 弘樹著、双葉文庫)   作品の紹介 

表題作を含む計5編を収録した短編集。 名作ミステリー短編集「傍聞き」の著者の
デビュー作。 ミステリー短編のおもしろさを見直させてくれる一作。
事件が起こった時の人間の弱さや保身の心を巧みに描いています。 しかし、隠蔽
工作のお話が多く、個人的には、この手の話はやや苦手かも、と気づいたのも事実。
2008年度「日本推理作家協会賞」受賞。 おススメ度:8.1

コメント  野球の国 (奥田 英朗著、光文社文庫)   作品の紹介 

野球ファンの著者が沖縄、四国、台湾などで、プロ野球のキャンプ、ファームの試合などを
訪れる。 地方球場とその周辺の人々、街、映画、グルメを描いた紀行エッセイ。
ご自身の小説の書き方にも触れている部分も興味深く読めました。
以前、奥田さんの「港町食堂」というエッセイを読んで大爆笑。 本作も、いい味出してます。
小説だけでなく、エッセイも読みたいと思う作家。 「港町食堂」のブックレビューはこちら
おススメ度:8.1

コメント  きみがつらいのは、まだあきらめていないから (盛田 隆二著、角川文庫)   作品の紹介 

表題作を含む計7編を収録した短編集。
著者の代表作「夜の果てまで」のもとになった短編「舞い降りて重なる木の葉」も収録。
主人公たちは、けんめいに生きているのだけど、世間一般で言うところの幸せな状態ではなく。
ストレスがたまるというほどではないけど、スカッと感が足りなかったのが残念。
おススメ度:7.7

コメント  輝く夜 (百田 尚樹著、講談社文庫)   作品の紹介 

クリスマスに起こる奇蹟の物語、計5編を収録した短編集。
「永遠の0」や「ボックス!」とは、まったく異なる作風のファンタジー色の強い作品。
ハッピーエンドばかりで安心して読めるけど、5作中、3作をファンタジーにするのではなく、
もう少しリアルなお話にしてもよかったかな、という印象。 おススメ度:7.5

コメント  燦(さん) 4 炎の刃 (あさの あつこ著、文春文庫)   作品の紹介 

田鶴藩の筆頭家老の長男、伊月(いつき)、十六歳。 幼いころから、藩主の二男、圭寿(よしひさ)
に仕えてきた。 伊月には、生まれたときに、神波(かんば)一族に引き取られた双子の弟、燦がいた。
圭寿は、兄の突然の死により世継ぎとなり、伊月とともに藩の江戸屋敷で暮らすことになる。
さらに藩主、常寿が息を引き取り、圭寿が藩主となる準備が進められる。
圭寿の藩主就任を控え、伊月や燦のまわりで起こるさまざまな不穏な動き。 敵は闇神波なのか、
正体がつかめないなか、圭寿の亡き兄の側室、静門院が圭寿のもとを訪れる。 その後、伊月は
静門院から呼び出しを受け、単身、屋敷に向かう。 帰り道、毒を盛られた伊月は刺客に襲われる。
これまでの三巻にくらべると、動きが少なく、やや「静」の巻といった印象。
「燦 1」のブックレビューはこちら。 「燦 2」、「燦 3」のブックレビューはこちら
「本の雑誌」2014年度 文庫「時代小説部門」:第8位。 おススメ度:8.1

コメント  燦(さん) 5 氷の刃 (あさの あつこ著、文春文庫)   作品の紹介 

刺客に襲われ、絶体絶命の伊月のもとに燦がかけつけ、なんとか難を逃れる。
燦は、静門院の屋敷に忍び込み、彼女が伊月を襲ったのではないことをつかむ。 藩の江戸屋敷内に
刺客がいることを確信した燦と伊月は、罠にはめ、刺客団を一掃する、、、。
闇の核心に少し近づいた燦と伊月の行く手にさらなる苦難の予感。 おススメ度:8.2

コメント  大名やくざ (風野 真知雄著、幻冬舎文庫)   作品の紹介 

有馬 虎之助、三十二歳。 三百石の旗本、石野家の五男とやくざの娘、辰との間に生まれおち、
十歳まで、辰の父で、やくざの大親分、丑蔵のもとで育てられる。
ところが、十歳のとき、久留米の有馬藩の分家から石野家に養子受け入れの申し出があり、虎之助が
養子に入る。 かくして、虎之助は、三千五百石の旗本の後継ぎとなった、、、。
虎之助の祖父、丑蔵が対立する浅草のやくざ、独眼竜の常に謀殺される。 虎之助は、祖父を斬殺した
浪人を討ち、さらに敵と内通していた兄貴分も討ち果たす。 丑蔵一家は、母の辰が跡目を継ぐことに。
一家の大事と並行して、虎之助の息子、大次郎に、二十一万石の有馬家本家への養子の話が持ち上がる。
虎之助は、祖父から聞いていた赤穂浪士の秘密を武器に、大老、柳沢 吉保に近づき、自らが有馬本家に
養子に入り、藩主の座を手に入れる、、、、、、。
武士というよりやくざが似合う虎之助。 分家の五男の子から本家の藩主まで駆け上がるさまを描いた
第一巻。 痛快エンターテイメント時代小説の今後に期待。
「本の雑誌」2015年度 文庫「時代小説部門」:第6位。 おススメ度:8.2

コメント  大名やくざ 2 (風野 真知雄著、幻冬舎文庫)   作品の紹介 

虎之助は、将軍、綱吉にお目通りを果たし、久留米有馬藩の藩主としてスタートを切る。
吉原の太夫、梅香を気に入ったが、豪商、紀伊国屋文左衛門と恋敵になったり、火消しの腕を競って、
加賀百万石の藩主、前田 綱紀を敵にまわしたり。 あいかわらず、騒動を巻き起こす虎之助を描いた
第二巻。 痛快さとリーダビリティーは、一巻に続いて顕在。
それにつけても、著者の風野さんは「妻は、くノ一」、「姫は、三十一」、「耳袋秘帖」などシリーズものの
名手だと改めて感心。 おススメ度:8.1

コメント  大名やくざ 3 (風野 真知雄著、幻冬舎文庫)   作品の紹介 

藩に三十万両もの借金があることを知った虎之助は、藩に出入りの医者や紀伊国屋文左衛門から大金を
せしめる算段に動く。 さらに、祖父、丑蔵を謀殺した独眼竜の常を一騎打ちの末、討ち果たし、祖父の
仇を討つ。 一方、お気に入りの吉原の太夫、梅香を紀伊国屋から引き離すことに成功したかに見えたが、
虎之助の画策が梅香に見破られ、きらわれる始末。 あいかわらず、虎之助のいくところ、騒動は絶えない
けれど、大名とやくざの二足のわらじが板についてきました。 おススメ度:8.1

コメント  鷹姫さま (諸田 玲子著、新潮文庫)   作品の紹介 

正式タイトルは「鷹姫さま お鳥見女房」。 人気シリーズ「お鳥見女房」の第三作。
将軍家の鷹場の巡検、鷹狩の準備、鷹の餌となる鳥の生息状況を調べる役目、御鳥見役の女房、珠世を
主人公にした物語。
珠世の長男、久太郎に縁談が持ち込まれる。 相手は、老中、水野忠邦の鷹匠、和知正太夫の三女、恵以。
恵以は、憎めない心根の持ち主であるが、気性が激しく、鷹狩りが好きな娘で、鷹姫さまと呼ばれている。
良縁にも関わらず、久太郎は思うところがあり、縁談を断る。 しかし、その後も、恵以のことが気にかかる。
その他にも、次男、久之助の秘めたる恋、次女、君江の嫁入り、父、久右衛門の知られざる過去など、見どころ
満載の第三作。 珠世のしなやかな心根に救われる作品です。 第四作も楽しみです。
「お鳥見女房」第一作のブックレビューはこちら。  第二作のブックレビューはこちら。  おススメ度:8.1

コメント  ひょうたん (宇江佐 真理著、光文社文庫)   作品の紹介 

表題作を含む計六編を収録した連作短編集。
本所で古道具屋を営む三十三歳の音松と二十八歳のお鈴の夫婦。 一人息子で十歳の長五郎は、音松の兄が
営む質屋に奉公に出ている。 音松は、子どものころからの仲間と毎日、家で酒盛りをするのが楽しみな男。
お鈴は、そんな夫の世話を焼きながら、まっすぐな心根で生きている。 そんな家族と周りの人たちを描いた
人情話が散りばめられた佳作。 いつもながら著者の語りは安定感ばつぐん。 おススメ度:8.1

コメント  古手屋喜十 為事(しごと)覚え (宇江佐 真理著、新潮文庫)   作品の紹介 

浅草のはずれで古手屋(古着屋)を営む喜十(きじゅう)。 自殺しようとした娘、おそめを助けたことが縁で
夫婦になり六年。 喜十、三十五歳、おそめ、二十五歳。 子宝には恵まれないが、つつましい幸せを満喫
している。 しかし、北町奉行所 隠密廻り同心、上遠野(かとの)が次々と探索の手助けを喜十に依頼し、
一息つけるひまがない。 おまけに上遠野のツケがなかなか減らず、喜十は礼金目当てで探索の依頼を引き
受けざるを得ない、、、、、、。
いやいや捜査に参加するものの、いつのまにか事件の核心に近づく喜十の推理力。 恋女房、おそめとの
やりとり。 上遠野とのかけひき。 捕物帖をベースにしながらも、一級品の人情話に仕上がっています。
おススメ度:8.1

コメント  ちゃんちゃら (朝井 まかて著、講談社文庫)   作品の紹介 

江戸 千駄木の庭師、植辰の主人に拾われた浮浪児のちゃら。 十年間、辰蔵にみっちり仕込まれて、一人前の
庭師に育ちつつあった。 辰蔵の娘で、十七のお百合、居候の庭師、福助と玄林とおもしろおかしく生きている。
しかし、辰蔵に恨みを持つ男、白楊が京の作庭の名門、嵯峨流を再興し、ちゃらたちの前に立ちはだかる。
白楊の執拗で残酷な企みに立ち向かうちゃら。 白楊にやられっぱなしの日々が続くが、ついに反撃の時を迎える。
物語を通して、庭師の仕事、矜持が生き生きと伝わってきます。 主人公はじめ登場人物たちの人物造形も秀逸。
しかし、白楊の嫌がらせが度を超えていて、読むのが少しつらくなった時があったのも事実。
「本の雑誌」2014年度 文庫「時代小説部門」:第7位。 おススメ度:8.2

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