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読書感想文2013 part 5
「読書感想文2013」 part5は、9月〜10月の読書録です。
↓ Click NOVEL mark !
なんくるない (よしもと ばなな著、新潮文庫)
作品の紹介
表題作(「なんくるない」)を含む計4編を収録した短編集。
第一話は、両親が別居し、沖縄に住む叔母夫婦に預けられた少女のお話。
第二話は、30代後半の女性と沖縄の初老の夫婦との心の交流を描いたお話。
第三話(表題作)は、離婚一年後の女性の、新しく始まった恋のお話。
第四話は、編集者の男性が、父と放浪生活を続ける少女と出会うお話。
どのお話も、舞台は、沖縄。 物語の主人公が、沖縄を訪れ、すばらしい出会いをし、
癒され、心が再生していくプロセスを、やさしくゆったりと描いています。
沖縄の光や空気の描写もすばらしいのだけど、この作品の、もうひとつの魅力は、
ゆったりとした時間の流れの描き方だと思います。 おススメ度:8
定年ゴジラ (重松 清著、講談社文庫)
作品の紹介
都心から電車で二時間、東京の西のはずれにあるニュータウン、くぬぎ台。
この街で暮らす、定年後の四人の散歩仲間の喜び、悩み、夢、哀愁を描いた連作短編集。
計8編を収録。
山崎さんは、新潟の高校を卒業後、大手銀行に就職し42年。定年を迎えたばかり。
長女は31歳。結婚を機に家を出て、今は一児の母。 次女は26歳。都心で一人暮らしを
始め、今、山崎さんは、奥さんと二人暮らし。
藤田さんは、くぬぎ台の開発担当だった人物。山崎さんと同じく定年直後の60歳。
野村さんは、関西での10年間の単身赴任を終え定年を迎えて2年。浦島太郎状態。
古葉さんは、元大手広告代理店の営業部長。今は町内会長、67歳。
山崎さんは、次女の結婚問題に直面し、藤田さんは、北海道移住の計画を進め、
野村さんは、大学の社会人講座に通い始め、古葉さんは、週刊誌の取材に大わらわ。
暇なんだけど、退屈ではないと言い張る愛すべきオヤジたちの物語。
少し前に読んだ、定年後の幼馴染三人組を描いた、有村浩さんの「三匹のおっさん」を
思い出しました。 どちらも、著者の作風を生かした秀作です。 本作とあわせて読んで
みるのも一興かも。 何はともあれ、自分も、定年後の小説を読むようになったんだなぁ
と、ちょっとだけ感慨深かったりして。 おススメ度:8.2
極北クレイマー(上) (海堂 尊著、朝日文庫)
作品の紹介
極北大学病院の今中は外科医になって8年目。 財政破綻にあえぐ極北市の極北市民病院
に赴任する。 肩書は外科部長ではあるが、外科医は今中ひとり。 おまけに非常勤扱いの
安月給。 院長と対立する市役所から出向の事務長。 やる気のない研修医と看護師たち。
ローカルルール満載の病院に愕然とする今中の前に現れたのは、ひと月遅れで着任した
派遣医師の姫宮香織。 姫宮は、長身、美人の外見とはギャップの大きな天然キャラ。
しかし、卓越した頭脳と医療技術で、曲者揃いの医師、看護師、職員たちを黙らせる。
そして、三日後、医療事故調査委員会設置を見届けると風のように去って行った、、、。
「チーム・バチスタの栄光」をはじめとする「バチスタ」シリーズの著者、海堂尊さんの作品。
この作品自体は「バチスタ」シリーズではないけれど、シリーズの中心人物、白鳥の部下、
姫宮が登場し、大活躍します。 本作の主役、今中をしのぐ印象度の上巻でした。
おススメ度:8
極北クレイマー(下) (海堂 尊著、朝日文庫)
作品の紹介
極北市民病院で最も熱心に働き、市民からの信頼が厚い三枝産婦人科部長。
彼は、数ヶ月前、出産中の妊婦と胎児を死亡させてしまう。 これは、三枝のせいではなく、
不幸な偶然が重なった結果だったが、遺族で妊婦の夫が市の和解案を医療ジャーナリストに
渡し、警察が捜査に乗り出す。
時を同じくして、病院長の室町は、「日本医療業務機能評価機構」に病院の審査、格付けを
依頼する。 付け焼き刃の対応で高い評価が得られるはずもなく、高い審査料を支払った
だけで、病院改革の第一歩という目的すら果たせずに審査は終了する。
こうした動きの中で、揺れ動く病院にあって、今中は、赴任当初よりも格段に病院に愛着を
持ち始めていた、、、、、、。
話としてはおもしろかったのですが、上記の警察の捜査の結果が描かれておらず、ちょっと
物足りない終わり方をしていたのが、残念。 事件を陰で操った医療ジャーナリストの狙いも
わかったようなわからなかったような感じだし。 個人的には、財政破綻状態にある市と病院に
フォーカスしたシンプルなお話にしても、十分成立したと思いました。 おススメ度:8
別冊図書館戦争U (有川 浩著、角川文庫)
作品の紹介
大ヒット作「図書館戦争」シリーズ(本編4巻、別冊2巻)の第6巻。
別冊T同様、「図書館戦争」の登場人物たちの過去とその後の恋愛を描いた短編集。
この巻は、図書特殊部隊の副隊長、緒形の意外な過去と恋愛、若かりし頃の堂上、そして、
主人公、郁の同期、柴崎と手塚の恋の三本立て。メインは、柴崎と手塚の恋のお話で、3編の
連作短編で構成されています。「図書館戦争」シリーズのエンディングにふさわしい秀作でした。
「図書館戦争」シリーズ本編4巻を読んで、満足した人のための作品です。あと、恋愛話に興味
のない人にはツライかも。 おススメ度:8.2
「別冊図書館戦争T」のブックレビューはコチラ。
「図書館戦争シリーズ」本編のブックレビューはコチラ。
月の裏側 (恩田 陸著、幻冬舎文庫)
作品の紹介
40歳前の、レコード会社のプロデューサー、塚崎多聞は、九州の水郷都市、箭納倉(やなくら)を
訪れる。 元大学教授、三隅協一郎を訪ねての旅だった。 箭納倉は、協一郎の生まれ故郷で
あり、二十年前に妻に先立たれた彼は、退官後、一人暮らしをしていた。
協一郎は、多聞に、ここ一年の間に起きた60代、70代の三人の女性の失踪事件について語る。
三人の女性は、ある日突然、姿を消し、一週間から二週間後、何事もなかったかのように戻って
きた。 しかし、失踪中の記憶は、まったくなかった。
続けて、多聞は、地元の新聞記者、高安から、協一郎の弟夫婦も、過去に失踪したことを知る。
まもなく、協一郎の娘で、多聞の大学の後輩でもある藍子が、嫁ぎ先の京都から骨休みを兼ねて
箭納倉を訪れる。 多聞がこの地で感じたふしぎな現象と失踪事件に興味を持った藍子は、多聞
とともに地元の図書館を訪れる。 そこで、5センチくらいの水の膜が生き物のように図書館の中
に入ってくるという超常現象を体験する。 幸い、水の膜は、館内の人たちに危害を加えることなく
引いて行ったが、館外につながれていた犬が跡形もなく姿を消していた。
協一郎、多聞、藍子、高安の四人は、やがて、正体不明の何かが発する声のような音を認識し、
複数の人間が同時に同じ行動をとる場面を思い出したり、遭遇したりする。
そして、彼らは、箭納倉の住民が、失踪した人たちも含めて、相当数、「人間もどき」に入れ替わって
いるのではないか、という推論にたどり着く。 四人が、恐怖と戦いながらも、その推論を確かめようと
した矢先、藍子は、協一郎の隣家の老人が、右半身だけ元の姿で、左半身が餅のようにぐにゃりと
なっている姿に遭遇する。 そして、高安も、体が不完全な状態の犬に出くわす。
やがて、四人は、自分たち以外の町の人々が、すべていなくなっていることに気づく。 人はおろか、
動物も、鳥も、虫も、すべて姿を消していた、、、、、、。
SF×ホラー×ミステリーのような作品。 多聞たち四人が事件の真相にたどり着くまでのじわじわと
した恐怖や散りばめられた謎の描き方は秀逸。 ただ、エンディングというか、話のオチは、ちょっと
あっさりしていたかも。 おススメ度:8
珍妃の井戸 (浅田 次郎著、講談社文庫)
作品の紹介
清朝の末期、西太后が引退し、光緒帝が政治の近代化を試みるが、わずか百日で頓挫。
光緒帝は幽閉され、西太后が復帰。 二年後(1900年)、義和団事件が勃発し、清は連合国に宣戦布告。
日本、イギリス、ドイツ、ロシアなど8カ国の連合国軍により北京はあっけなく陥落。 西太后と光緒帝は、
西安に逃れる。 そのさなか、光緒帝の側室、珍妃(ちんぴ=チェンフェイ)が紫禁城の井戸に投げ込まれ
非業の死を遂げる、、、。
さらに二年後(1902年)、イギリスのソールズベリー卿は、義和団事件時の連合軍将校の非人道的行為調査
の任を受け、北京に赴く。 舞踏会でダンスの相手をした謎の女性、ミセス・チャンから珍妃の事件を聞き、
事件の真相解明に乗り出す。 彼と共に事件の調査にあたることになったのは、ドイツ軍の大佐、シュミット
男爵、東大教授の松平子爵、そして、露清銀行総裁のペトロヴィッチ公爵。
四人は、事件の謎に迫るべく、さまざまな関係者の証言を聞いてまわる。 最初は、ニューヨーク・タイムズ
の駐在員、続いて、光緒帝の宦官だった男。 そして、三人目の証言者、袁世凱将軍から、光緒帝の側室で
あり、珍妃の異母姉である瑾妃が珍妃殺害を先導したことを聞く。 四人は、さっそく、今も紫禁城で暮らす
瑾妃のもとに向かう。 しかし、瑾妃は、皇后の命令で珍妃は殺されたと証言する。 さらに、瑾妃の宦官は、
義和団事件後に皇太子の位を剥奪されたブーチンの父、ツァイイーが犯人だと言い出す始末、、、。
証言者は、みんな自分にとっていては都合が悪い人物、憎しみを持つ人物を珍妃殺しの犯人にするための
つくり話をしているに過ぎないのか、、、。 事件の真相が見えなくなった四人は失意のうちに紫禁城を後にする。
その夜、ディナーのためにドイツ公使館に向かう途中、イギリス、日本、ロシア代表の三人は、中国人の子ども
たちから命を狙われる。 やがて、ドイツ公使舘に姿を現した襲撃の首謀者から、またしても、珍妃の死にまつ
わる新説を披露され、次に証言を聞くべき人物を示唆される、、、、、、。
歴史小説、ミステリー小説、光緒帝と珍妃の愛の物語、さまざまな要素を持った小説です。
珍妃の登場シーンは少なかったけれど、彼女の言っていること(特に終盤の独白)は、すばらしかったです。
この小説は、名作「蒼穹の昴」の続編(第二部)という位置づけ。 宦官のトップにのぼりつめ、西太后に仕える
(「蒼穹の昴」の主人公)春児(チュンル)も登場します。 とはいえ、「蒼穹の昴」とつながりの深い続編という
わけではなく。 春児のその後というよりも、清王朝のその後、という感じ。 続編というよりスピンオフみたいな
作品でした。 物語は、第三部(「中原の虹」)へと続きます。 おススメ度:8
ピース (樋口 有介著、中公文庫)
作品の紹介
埼玉県秩父のスナック「ラザロ」でアルバイトとしてピアノを弾いている女性がバラバラ遺体として
発見される。 警察は、一か月前、近隣で発生した歯科医のバラバラ殺人事件の同一犯によるもの
として捜査を開始。 埼玉県警からも、定年を二年後に控えた秩父出身のベテラン刑事、坂森が所轄
に派遣される。
二つの殺人事件の捜査が進まない中、一か月後、またしても、地元の青年のバラバラ遺体が見つかる。
犠牲者三人のつながりが見つからない中、坂森は、三人の被害者の遺体の写真に小さな共通点を
発見する。 さらに、地元の小学校教師が「命を狙われている」と警察に駆け込んだことがきっかけで
事件が少しずつ核心に近づき始める、、、、、、。
精緻に組み立てられた構成に驚愕のエンディング。 一級品のミステリーとして読み応えがありました。
そして、タイトルの「ピース」に託された意味。 掛け言葉ではあるのですが、よく考えられたタイトル
だなあ、と感心しました。 おススメ度:8.1
宇宙で一番優しい惑星 (戸梶 圭太著、中公文庫)
作品の紹介
地球に人類が誕生する遥か昔のお話。 とは言え、時代設定は、現在の地球に近い感じ。
宇宙の彼方の惑星、オルヘゴ。 この星には、三つの国しかなかった。 インテリ国家のクイーグ、中流だが
今一つあかぬけしない国、ボボリ、そして、いまだ内戦の続く砂漠の国、ダスーン。 三つの国の人口比は、
100:270:2,510。 富はクイーグに集まり、飢えはダスーンに集まっていた。
クイーグとダスーンは国交を断絶している。 かといって、クイーグとボボリ、ボボリとダスーンの関係が良好
というわけではない。 三つの国は、自分勝手な言い分を繰り返し、お互いを認めようとはしない。
そして、あるできごとがきっかけで、ダスーンがボボリに無差別テロ攻撃を開始する、、、、、、。
なんてことを書いていると、シリアスな小説と思われるかもしれませんが、全編、エロとグロとナンセンスな
描写のオンパレード。 まさに、ブラックユーモアの世界。 ジャンル的には、SFかもしれないけど、そんな
分類さえ、無意味と思える作品。 ちなみに、巻末の解説によるとトラジット・コメディ(悲喜劇)だそうです。
おススメ度:7
べっぴん (諸田 玲子著、文春文庫)
作品の紹介
正式タイトルは「べっぴん あくじゃれ瓢六捕物帖」。人気シリーズの第三巻。
四年前、瓢六は博打の一斉検挙に引っ掛かり、牢屋に入れられるが、知恵と愛嬌と人脈を評価され、
北町奉行所の同心、篠崎弥左衛門の捜査の手伝いをするようになった。 売れっ子芸者のお袖と
同棲中だが、時には、牢屋に潜入捜査を命じられる。
瓢六の周辺で次々と怪しい事件が起きて、仲間が一人、二人、瓢六のもとを去っていく。
ある者は、命を狙われ、江戸を去り、ある者は、恨みもないのに殺されてしまう。
どの事件にも、とびきりの美女の陰が見え隠れするが、さすがの瓢六もなかなかしっぽがつかめない。
さらに、お袖とのささいな口喧嘩がきっかけになり、別居状態に。 しかし、瓢六は、これを機会に自分
のなすべきこと、歩くべき道を模索し始める。
瓢六は、ついに、犯人である美女の狙いを突き止める。 囮捜査で女をおびき出そうとするが、、、。
シリーズ第三巻の本作は、読み応えのある長編。 第一巻、第二巻は、軽妙さとテンポが心地よかった
のですが、第三巻は、趣きを変えて、ミステリー色が強く、やや重厚なつくりに。
お袖とも距離を置き、自分の将来を考えながら、仲間のために捜査を続ける瓢六のシリアスな面に光が
当てられている作品に仕上がっています。 おススメ度:8.2
シリーズ第一巻「あくじゃれ」のブックレビューはコチラ。
シリーズ第二巻「こんちき」のブックレビューはコチラ。
かってまま (諸田 玲子著、文春文庫)
作品の紹介
江戸時代のお話。 表題作(「かってまま」)を含む計7編を収録。 連作短編の体裁をとった長編。
旗本の娘、奈美江は、嫁入りを目前に控え、修行僧の願哲と恋に落ち、女児を産む。
子どもは、おさいと名付けられ、奈美江の家の奉公人、丈吉、伊夜に引き取られ、事なきを得て、
嫁に行くが、願哲を忘れられず、駆け落ちする。
物語は、おさいの赤ん坊の頃に始まり、七歳、十歳、十五歳、二十歳、三十歳の日々を描いていく。
子どもの頃に、育ての母、続いて父を亡くし、七歳で質屋の養女となったおさいは、才色兼備の娘に
成長していくが、質屋を出て、スリの女と同居したり、盗賊の手先になったり、一筋縄ではいかない
人生を歩んでいく。 やがて、異父妹、そして実の父親にも巡り会うが、すぐに離れ離れになって
しまう。 そして、三十になったおさいは、ついに本懐を遂げ、また姿を消してしまう、、、。
しなやかに、したたかに生きたおさいの半生。 出会った人たちの人生をいい方向に向かわせる
おさいのふしぎな魅力がさらりと描かれています。 しかし、おさい自身は幸せだったのか?
業の深い女性だなと思ってしまいました。 それにしても、こういうお話を書かせたら、筆者の諸田
さんに敵う作家は、なかなかいないでしょうね。 おススメ度:8
おちゃっぴい (宇江佐 真理著、徳間文庫)
作品の紹介
正式タイトルは「江戸前浮世気質 おちゃっぴい」。
表題作(「おちゃっぴい」)を含む計六編を収録した短編集。
江戸の市井で暮らす名もなき人々を、やさしい視線で描いた作品。
大工の初五郎を主人公にしたお話が二編。どちらも、長屋で暮らす浪人との交流を描いた一編。
薬種屋の跡取り息子、菊次郎のお話が二編。こちらは、好きな女をあきらめて店の再建のために
持参金つきの嫁をもらうというお話。
そして、表題作は、札差しの娘で、十六のお吉が、父の店に勤める、元武士の男との縁談に心が
揺れるというお話。
どのお話も、涙あり、笑いありで、読後感ばつぐん。 おススメ度:8.1
ころころろ (畠中 恵著、新潮文庫)
作品の紹介
大人気「しゃばけ」シリーズの第8弾。 計5編を収録した連作短編集。
大店(おおだな)の若旦那、一太郎と妖(あやかし)たちが事件を解決するライトな時代物ミステリー。
今回は、目の神様の気まぐれで、目が見えなくなった一太郎が、目の神様と対峙するお話がメイン。
安定したクオリティーの鉄板シリーズ。 一年に一度くらいのペースで古本屋さんで新しいのを見つけ、
買ってしまう、そんな長いお付き合いのシリーズです。
「しゃばけ」シリーズ公式サイトはコチラ。
おススメ度:8
鬼平犯科帳 3 (池波 正太郎著、文春文庫)
作品の紹介
計6編を収録した連作短編集。 京都、奈良での鬼平の活躍を描いた巻。
火付盗賊改方の長官、「鬼平」こと長谷川平蔵は、二度目の登板でも大活躍を見せ、幕府から、
休養を与えられ、いったん、その任を解かれる。
鬼平は、かつて任地の京都で病没した父の墓参りのため、京都に旅立つ。 ところが、京都でも
事件に巻き込まれ、解決に向けて大活躍。 さらに、観光で訪れた奈良でも、危機一髪の難を
切り抜ける。 そして、鬼平が江戸に向かって旅を続けるころ、留守を預かる妻の久栄のもとを
鬼平に恨みを持つ盗賊の手先が訪れる、、、、、、。
一巻、二巻と違う趣向だったので、新鮮な感じで、読み進めることができました。
鬼平の妻、久栄の活躍を描いた一編では、二人が夫婦になったいきさつも書かれています。
鬼平らしい、じーんとくるエピソードでした。 おススメ度:8.2
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